ハモンド・スズキの日々是、口風琴 -きままにメロディオン-

ライブ告知板


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第7回「蛇も逃げ出す ピーヒャララ!
         アンデスフェス vol.1
2008年6月26日(木)
date 6月25日(水)/ place BAR LIALEH (二子玉川)
musicians 夏秋文彦

 「夜笛を吹くと蛇が出る。」って子供の頃に聞かされたことありませんか。今回はそんなタブーを思いっきり破ってしまったイベントをご紹介します。その名も「アンデス フェス」、なんとハモンドでも時々紹介してきたアンデスのイベントなのです。メロディオンでもお馴染みの夏秋文彦さんホストにお招きして楽しい時間が繰り広げられたのです。
 今回の首謀者はBAR LIALEHのマスターの望月さん。アンデスののん気な音に魅せられて、「だれかにやられる前に自分がやるんだ。」 と一念発起され、イベントを立ち上げられました。お店にも置きアンデスが用意されているほどのアンデス通。「トイレから出てきたお客様が必ず吹いていかれるんですよ。何故か最近、鍵盤に粘りっけが出てきたような感じですけど。」 とゆるーい冗談もアンデス好みですね。
そんな望月さんから夏秋さんに出されたお題は、「循環呼吸と安定ピッチ」。とてもマニアックな内容だけど大丈夫ですか…。


 しかし、夏秋さんにそんな心配は必要ありません。アンデスを膝の上に置いていきなり両手弾きの演奏。右手でメロディーを弾きながら、左手でバッキングを入れていく。ブレスの間が無いから何処までもノンストップで疾走感のある演奏です。そして、1曲吹き終わると循環呼吸のレクチャーが始まります。
 「循環呼吸というのは吹いている間に息を吸うのです。」 と説明されても普通の人体構造ではできませんね。そこでちょっとした種明かし、「実は、常に肺から息を出しているのではないのです。口の中にたまった空気を出すときに鼻から息を吸っているのです。口の中に思いっきり息をためた状態で鍵盤を押さえると吹かなくても音が鳴るでしょう。」
 確かに分かりやすい説明ですが、そう簡単にできるものではありませんね。アンデスを持参された方たちも目を白黒させて循環呼吸に挑戦です。


 もう一つのお題の安定ピッチについては、「アンデスは強く吹くと音程が上がり、弱いと下がるのですね。また、音をたくさん重ねると息が分散する分だけ音程は下がります。そのことを意識することが大切です。あとはメーカーさんが安定したピッチのものを作ってくれれば問題は無いのですが…」 とこちらに目を向けられる。
 お客様の視線も集まり背筋も凍りついたとき、「でも、不安定なピッチもアンデスの魅力ですよね。全体のピッチが狂ってしまうのは問題だけど、吹き方によって音が変わるのは味でもありますよね。」 と助け舟が出る。


 最後は夏秋さんと須藤かよさんのユニット「ウストキネ」の演奏で締めくくられる。アンデスのデュオを披露した後、ピアノとのセッション。ダイナミックなピアノのサウンドに立ち向かうにはあまりにも非力なアンデスですが、夏秋さんのテクニックがそれをカバーする。ピアノが減衰する隙間をアンデスのサウンドが埋める。循環呼吸だから途切れることも無い。そして、微妙に上下する音程がピアノとは別の世界を作っている。極めつけはブローするように現れたムラ息だ。クレッシェンドとともに現れたかすれがスピード感を感じさせる。メロディオンには無い音楽である。


 終幕は参加者全員のセッションだ。これには思わず笑みがこぼれる。だれもかれもが「ピーヒャララ」、幸せそうに吹いている。突然鳴り出した笛の音に、窓の外には不思議そうに覗き込むお客様、そして、顔を見合わせて立ち去っていく。フラリと現れたタカハシペチカさんもスライドホイッスルで乱入。「ヒュルルル、ヒュルルル」 留まることを知らない大アンサンブルです。
 「第1回ということで参加者も少なかったけど、アンデス25F にちなんで第25回までやりますよ。絶対25人でアンデスを演奏しましょう。」 と望月さんの力強いお言葉をいただき結束を強めた参加者たち、笑顔で記念写真を撮り帰路につきました。このようなイベントを企画された望月さん、本当に有難うございました。次回開催を楽しみにいたします。


コマーシャル

 今回、タカハシペチカさんが吹いていたスライドホイッスルは鈴木楽器のスライドホイッスルキット「プリコーダー」です。リコーダーのマウスピースとスライドホイッスルがドッキング、付属のスケールにあわせて音階シールを貼ると、ドレミ音階、アラビア風音階、沖縄音階、陰音階が簡単に演奏することができます。
 タカハシペチカさんおすすめのポイントは、「高音にいっても音がひっくり返らないところがスグレモノです。」 と絶賛、お気に入りのアイテムとなっているそうです。
 もともとは、夏休みの工作キットとして作られたため、楽器店に並ぶことはなかったのですが、この度、渋谷の鍵盤堂さんで取り扱われることになりました。同店オリジナルのアンデスケースとともにご購入ください。



第6回「時間よとまれ!
     Small collar 【音と映像の二夜】より
2008年6月24日(火)
date 6月24日(火)/ place 月見ル君思フ (青山)
musicians 吉原リエ(メロディオン・他)オオニシユウスケ(ギター

 ケンハモナイトでお会いした吉原リエ(trico)さんからメールが届いた。「6月24日にSmall collar というユニットでライブをします。」 そして、「メロディオンも使いますよ。」と付け加えられていた。こんな絶好のお誘いは大歓迎、「是非、伺います。」 と即レスをしたのでした。


 今回のライブスポット「月見ル君思フ」は階段を下りてエントランスへ、さらに階段を下りてフロアに。すなわち天井が高いというか、地面が低いというのか、非常に高さを感じるホールです。そして、ステージ後方のスクリーンには大きな月が浮かび幻想的な空間を作り上げています。
 大きな月に「Small collar」と浮かび上がった頃、良原リエさんとオオニシユウスケさんがステージに登場する。そこからは幻想的な二人の音楽に没入する。吉良さんが演奏しているのはリードオルガン、トイピアノ、アコーディオン、そしてメロディオン。すべてがレトロなサウンドを醸し出している。同じリード楽器でもオルガンはやや無機質なサウンド、アコーディオンはゆるやかに全体を包み込む。メロディオンは気ままに音を紡ぐ。鳴らす仕組みの違いが如実に現れているところが面白い。


 演奏とともにライブを作っていくのは首藤幹夫さんの写真スライド。2台の映写機を使って音楽にあわせて交互に写真を投影します。そして、画面の切り替えをすべて手作業で行っているのも特徴的です。1台の光源を手で塞ぎながら、もう1台の光源を開放していく。微妙に重なり合う2枚の写真、ゆっくりと移り変わる時間。それらを司っているのはステージ上の音楽である。Small collarと首藤さんの感性が合致して見事なまでの空間芸術を創造していく。


 吉原さんの音楽を支えているのはオオニシさんのギター。フレーズをループさせて少しずつ重ねていく。そして、いつの間にか次のドローンが登場してくる。吉原さんは赤ん坊をあやすようにメロディオンを揺すりながら奏でる。何とも優しい音である。ゆっくりゆっくりと時間が過ぎていくことに身を任せ、移り行くスライドに目を向ける。ノスタルジックな風景や美しい花が浮かび上がり、至福の時間へと誘われるのだった。

第5回「メロディオン44 一青窈のコンサートツアーに」
2008年6月11日(水)
メロディオン44 一青窈さんのコンサートツアーに

 ケンハモナイトでモニターしていただいたメロディオン44もいよいよ最終チェックの段階に突入。大音響のツアーライブでのパフォーマンスと堅牢性については未知数。そこで、ハモンド・スズキの良きアドバイザーの河合代介氏より紹介していただいたのがキーボーディストの紺野紗衣さん。紺野さんは現在一青窈さんのコンサートツアーに参加、日替わりアコースティックコーナーでPRO-37V2を演奏されています。
 6月4日の越谷での公演30分前に楽屋に挨拶に伺うと、「これが新しいのですか。本当に鍵盤が多くなったんですね。いいですよこれ。」 とおもむろに吹き始め、「これ、今日から使ってみますね。」 と言い残すとステージの人となった。
 演奏されたのは最新DVDにも収録されている「ささやき並木」、一青窈さんの情感溢れる歌と見事に絡み合いメロディオンの魅力をしっかりと伝えてくれています。紺野さんはショートマウスピースを使い、マイクに向けてフレーズをささやきます。メロディオン44のシャープなフォルムがステージに映え、バンドサウンドとは一味違った清涼感が会場を包みます。

 終演後、楽屋へ伺うとUooMooの中北裕子さんとばったり。紺野さんとはお友達で一青窈さんのライブサポートをされていたんですね。そこで、紺野さんと記念写真を1枚。
 その後改めて、ロングボディーの楽器で長いフレーズを演奏したときに息苦しくなかったかを尋ねると、


紺野さん
「いいえ、まったくストレスはなかったです。むしろ、今まで使っていたPRO-37V2の方が高音域にいくと音色が変わったりして息の流れをコントロールしないときれいに響かなくって、メロディオン44はどの帯域も自然に響くし、こんなにストレスを感じないで演奏したのは初めてです。」

 と最大の賛辞を頂戴します。そして、浅めの鍵盤や持つ手をホールドするグリップバンドについて説明を加えると、

紺野さん
すごい考えてあるのですね。このピアニカ。」
ハモンド
「えっ、ピアニカ?」
紺野さん
「ごめんなさい。メロディオンですよね。」
ハモンド
「そうなんですよ。どこへ行ってもピアニカって呼ばれてしまうのですよ。海外のアーティストからはメロディカって。世界初の鍵盤式ハーモニカはメロディオンなのに。」

 すると、楽屋に遊びに来ていたキーボーディストの倉田信雄さんが、

倉田さん
「そうそう、正しくは鍵盤ハーモニカって呼ぶんだよね。」

 と助け舟を出してくれる。

ハモンド
「しかし、鍵盤ハーモニカっていうのも学校で教材基準に導入されるときに当時の文部省が作った造語なんですよ。ハモンドオルガンは楽器名として世界的に認知されているのにメロディオンはかわいそうですよね。だから、誰にもピアニカって呼ばせないメロディオンを作ろうと思ってハモンド・スズキが企画したのがメロディオン44なのです。楽器名も製品名もメロディオン、とにかくメロディオンなんです。」

 と、熱くなっていると

一青さん
「なになに、怪獣の話…? メロディオン…。」

 と、一青窈さんが登場。そして、話の成り行きを理解すると、

一青さん
「そうなんだ、日本発…、世界初のを今日演奏したんだ紗衣ちゃんは。何かいつもよりも長いなって思ったんだけど。じゃあ、もっと宣伝すればよかったね。」

 と言って楽屋を後にする。
 今回はマイクでの集音でしたが、ラインでの演奏感もテストした後、製品化へのラストスパートに入ります。多くのミュージシャンの夢を実現させる楽器としてメロディオン44を送り出したく思っています。


第4回「ケンハモナイト vol.9」
2008年6月5日(木)
百花繚乱、ケンハモのお花畑だ !
ケンハモナイト vol.9

date 5月30日(金)/ place OHANA CAFE (練馬)
musician  はもけんさん / タカハシペチカ+大友剛 / trico ! / けんはもよん♪

 「メロディオン、侮るべからず! その道のりは永遠なり。」 唐突に精神論を振りかざしてしまいましたが、先日お邪魔したケンハモナイトにはその道の達人が勢揃い。驚き、感動の妙技に目を奪われ、愛らしいサウンドに耳を洗われたのでした。
まず登場したのはこのイベントの主催者・坂元一孝さん率いる「はもけんさん」。ケンハモナイトの前座バンドを自称していますが、その実力はピカイチ。坂元さんと夏秋文彦さん、中浩美さんからなるユニットで、数多の出演者を返り討ちにしてきた鍵盤ハーモニカの達人たちです。


 オープニングは坂元さんのアレンジされた「おもちゃの交響曲」。中さんが吹いているアンデスは復刻前のオリジナル、鮮やかなブルーのボディとホワイトの白鍵がきれいです。水笛のパートをアンデスのトリルで演奏するのもいいですね。そして、坂元さんが吹いているのは昨年の楽器フェアで発表した「STAGE44改め MELODION44」。今回は演奏感のチェックのため特別にご使用いただきました。マイクで拾うのとは一味違う広がりのあるサウンドでアンサンブルを包んでいます。


 この後、夏秋さんと中さんの作品を1曲ずつ演奏したのですが、このユニットの面白いところは三者三様の鍵盤ハーモニカを使ったこと。中さんの改造エレキピアニカは金管系の華やかな音、専用マイクでの集音した夏秋さんのPRO-37V2は木管系のあたたかいサウンド。そして、坂元さんのMELODION44は弦楽器系の広がりを持った豊かなサウンド。そのキャラクターの違いがリード楽器のアンサンブルであることを忘れさせてしまうようです。
 さて、本編のオープニングはタカハシペチカさんと大友剛さんのユニットです。「すみません、ボクはケンハモプレイヤーではないんです。相方がメロディオン吹いていますので。」とリハーサル前に挨拶されたタカハシさん。しかし、「バルニカ」なる不思議な楽器の創始者でもあります。足踏みポンプで風船を膨らませながら送り込む空気でメロディオンを演奏する。バグパイプのような仕組みの面白い楽器です。難点は風船がしぼむまで空気が送られてしまうところ。「どうですか、商品化してみませんか。バルニカ・・・、ピアニカみたいだからバルディオンでもいいですよ。」と持ちかけられるが、発売への道のりは険しすぎるだろう。あたたかく見守らせていただきます。


 相方の大友さんは「ピアニカ王子」なる別名を持つプレイヤー。ついに鍵盤ハーモニカにも王子が登場・・・ と思っていると 「これは企画ものでして・・・」と申し訳なさそうにご挨拶。私の立場を気遣ってくれるとてもやさしい王子様です。バルニカの後はアンデス、トイピアノ、アコーディオンを持ち替えて爽やかな演奏を披露されます。そして、驚きなのはマジックの腕前も一級品なところ。演奏中にも華麗なる技をはさんで会場を沸かせました。
  一方、タカハシさんはギターに持ち替えて伴奏に回るが、足踏みのぞうさん(鼻に鈴がついています。)、デスクベル(本当は手でやさしく叩いてください。) などの足技が炸裂。最後はのこぎりを弓で弾き、情感たっぷりのサウンドで会場を包みます。


 タカハシペチカさんと大友剛さんの目まぐるしい演奏の後はtrico ! の不思議な世界へと誘われる。リバーブとディレイを使って異空間のサウンドを作り、そこに現世のサウンドを吹き込んでいく。時折現われるトイピアノが時間の軸を取り払っていく。何ともゆったりと、まったりと、自然に音楽が体内に入ってくる。
 「私普段はアコーディオンを弾いているんですよ。鍵盤ハーモニカはたまにです。trico !というのは私が一人で演奏するときのユニット名です。」とリハーサル前に自己紹介されたが、彼女の鍵盤ハーモニカのコレクションはなかなかのもの。ホーナーのメロディカは当然のこと、ポルトガルの鍵盤ハーモニカなども所有されている。


 今回はtrico ! の演奏にUooMoo中北裕子さんも参加、身の回りに楽器をちりばめて独特の音楽を創造しています。彼女の手にかかればタライも立派な楽器に変身、でこぼこの面をほうき(ブラシ)で叩いたり、掃いたり、何ともいえない味のあるサウンドです。彼女の作り出すサウンドエフェクトはとにかく音がきれい、個々でこの音が・・・と意表をつかれることもしばしばあります。trico ! の音楽に彩を加えています。
 二人の演奏に癒された後は夏秋さんが加わって、trico! + UooMooの演奏。達人夏秋さんの演奏に挑むかのようにtrico ! が絡む、それを夏秋さんがしっかりとホールドする。お互いの信頼感が随所に感じられる演奏に心が和む。


 最後に登場したのは「けんはもよん♪」、初代ピアノ屋 岡野勇仁さんの率いる名前通り鍵盤ハーモニカ4人のユニット。今回はパンディエロの飯島ゆかりさんが加わっての演奏です。陽気なブラジル音楽をリードサウンドでというコンセプトのステージ。そのグルーブはなかなかのもの。前座で登場した中さんとP-ブロッの林加奈さん、そして赤羽美希さんと岡野さん。聴き応えのあるメンバーですね。


 印象的だったのは中さんの作品「ハモケンサンバ」。林さんの歌唱力もさることながら、確信をついたコミカルな歌詞には思わず微笑んでしまいます。しかし、これほどまでに鍵盤ハーモニカへの愛情を綴った歌はない。是非とも流行らせたい作品です。


 ケンハモナイトフィナーレは会場全員でのケンハモセッション。「喜怒哀楽」をテーマにみんなで吹きまくる。ステージも会場もなく鍵盤ハーモニカが入り乱れ、色とりどりの花を咲かせました。
 出演者の皆様お疲れ様でした。次回開催を楽しみにいたします。