ハモンド・スズキの日々是、口風琴 -きままにメロディオン-

ライブ告知板


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第22回「感電ビリビリ・P-ブロッエレキ版」
  
SUARASANAのダシの素 vol.10
2008年12月9日(火)
date 12月3日(水)/ place スーパー・デラックス (六本木)
musicians P-ブロッ カルテット(野村誠、鈴木潤、しばてつ、林加奈)

 SuaraSanaからのお誘いで六本木に出没したP-ブロッご一行、今夜はついにエレクトリックサウンド解禁です。鍵盤ハーモニカのアコースティック感を大切にして極上のリードサウンドを作り上げてきた彼らだけに、どのようなサウンドを創造してくるのかワクワクしてきます。


 クリスマスムード漂う六本木通りから地下に降りるとスーパー・デラックスのエントランスに着く。大きな扉の向こうには地下のアジトのような無機質な空間が広がっていて、先客たちがお喋りに花を咲かせている。
 「ラインを通したのもなかなかいいですよ。」と、話しかけてきたのはしばてつさんだった。「リハのときにラインを伸ばして客席側から吹きながら聴いたんです。初めてですね。演奏しながら全体のバランスを感じられたのは。トランスミッターがあればどこでも演奏できるから面白そうですね。」と、笑われる。


 P-ブロッからスタートした今夜のライブ、オープニングは「2001年去年の旅」。タイトルはパロディーのようであるがR シュトラウスの名曲を鍵盤ハーモニカだけでリアルに再現している。オルガンの響きの変わりにメンバーたちが「ウー」とか「アー」とか声をHAMMOND 44に吹き込んでいる。音程感を感じられないことがとても面白い。旋律も生音の場合は個の存在が強調されるが、PAを通したことで平坦にサウンドが行き渡る。サウンドの定位にもよるのだろうが、重なりがとても明確である。そして何よりも、繊細なアコースティックサウンドのときと較べて自然と耳に音が届く。聴こうする緊迫感を必要としないところが安心できる。別次元のP-ブロッである。


 この後、P-ブロッのお馴染みのナンバーがメドレーで駆け抜けていき、「犬が行く」(林加奈)「セカンドステート」(しばてつ)「音楽会の客」(鈴木潤)、「FとI」(野村誠)と各メンバーの作品が並ぶ。各々の個性は勿論であるが、プレイスタイル、作品の主張するもの、本当にP-ブロッはバラエティーに富んでいる。お互いを主張することは簡単であるが、それぞれの主張を受け止める。それも、同楽器であることには感心させられる。常に真新しいキャンパスを持っているのだろうか、彼らの描く音楽は鮮やかな色彩を放っている。
 また、今回感じたのは野村さんの演奏するバスメロディオンに独特の味わいがあること。バスメロディオンというと鈴木潤さんというイメージが強く、アタックが明瞭でタイトなサウンドが思い起こされる。しかし、野村さんのバスメロディオンは音の伸びているときの表情が美しい。リードの振動が伝わってくるよう趣があるのだ。このように演奏者によるサウンドの違いが如実に分かるのであれば、バスメロディオンのエレクトリック化も今後考えなくてはいけないと強く思う。


 P-ブロッのステージの後は、RabiRabixPikoSuaraSanaと続く。、RabiRabixPikoは「縄文トランス」と呼ばれるように、フロントのパーカッションが奏でるアップテンポのビートに鼓動がシンクロしていく。そして、そのビートに合わせて音や声を変調させたサウンドで異次元へと誘われる。摩訶不思議な空間を創り出すバンドである。
 今夜のライブを主催したSuaraSanaはガムラン、クンダン、ガタム、口琴などの民族楽器とヴォイス(ホーメイ)、ベースによるアンサンブル。豊かな倍音を含むサウンドとグルーヴぃーな音楽は独特な世界観を感じさせてくれます。あたかも、音が光のように降ってくるような幻想的な空間を作り出します。
 三者三様のバンドが集まったのだが、どのバンドも生音を大切にしているアーティストたちであった。美しいものを美しく感じられる。美しい原音の上に様々な工夫を加える。音に対する欲望を追求する人間本来の営みを楽しむことのできたライブであった。P-ブロッも従来のスタイルを大切にされながら、今後、新たな分野をも開拓されることを楽しみにいたします。