ハモンド・スズキの日々是、口風琴 -きままにメロディオン-

ライブ告知板


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第30回 高速プレイ炸裂!とりのでんすけさん
  
「jazz unit DRASCO at Spuma」
2009年4月7日(火)
date 4月5日(日)/ place 渋谷 Spuma
musicians  関藤彰子(flute) とりのでんすけ(key&鍵盤ハーモニカ) 藤枝暁(guitar)
       野々口毅(bass) 安井希久子(percussion)

 鈴木楽器の東京の事務所から、「HAMMOND 44を2台購入されたお客様がいらっしゃいます。」と、連絡をいただいた。何でも、ライブ活動で使用されているためにリードの調律のためにスペアに1台用意されているそうだ。そして、紹介されたお客様のWebから、日時と場所、「key&鍵盤ハーモニカ:とりのでんすけ」というキーワードだけをたよりにDRASCOのライブに出かけることにした。


 Spumaの受付を抜けるとホールはすでに満席の模様、見渡すと奥のほうに笑顔の上に笑顔を重ねてHAMMOND 44を抱えている人物を発見する。とりのでんすけさんである。初対面の挨拶をすると、床に頭がついてしまうほどお辞儀をされて本日の訪問をねぎらっていただく。底抜けに爽やかな方である。そして、その爽やかさに包まれたままライブはスタートするのだった。
 でんすけさんのピアノによる静かなイントロダクションからテーマへ、そして高速の4ビートへと移ったときに衝撃が走る。関藤さんのフルートと重なり、でんすけさんのHAMMOND 44が旋律を駆け抜けていく。驚くことにフルートと同じアーティキュレーションであるから、MIDIでシンクロしているような響きなのだ。80年代のフュージョンサウンドを髣髴させるサウンドに心の針は一気に振り切ってしまった。


 でんすけさんも然ることながら、鍵盤ハーモニカという楽器の可能性と彼をリスペクトされているメンバーたちも素晴らしい。リーダーでもあるベースの野々口さんは、「でんすけさんの鍵盤ハーモニカに惹かれました。」 と言われるだけあって、アコースティック感豊かなバンドカラーを築いている。彼の作る曲は何処となく切なさを残し、リードの叙情感を引き出しています。鍵盤ハーモニカ、フルートのフロントを支えている藤枝さんのギターアルペジオ、柔らかなガットの響きが心地良く旋律を後押ししてくれます。パーカッションの安井さんが繰り出すリズムは、とてもタイトでキレがよい。鼓面にしなやかにヒットする指先が抜けるようなビートを楽しませてくれます。でんすけさんがHAMMOND 44を背に回してキーボードプレイに徹する曲もありますが、これだけ鍵盤ハーモニカを取り上げていてプログラムが単調にならないのはメンバー個々の実力を感じさせられる。


 でんすけさんのHAMMOND 44が牙を剥いたのはファーストセットの終わりであった。変拍子のスパニッシュ調の曲で高速プレイが炸裂、HAMMOND 44の浅い鍵盤ストロークとリードの立ち上がりがでんすけさんのスピード感を損なわせない。ブレスの限界を超える彼のフレージングはキーボーディスト本来の性であろう。肺の中が空になる直前までエクスプレッションを踏み込み、指が駆け抜ける。シングルハンドであることを感じさせない疾走感だ。時折、音を上げようとするブレスがアコースティックであることを伝えている。


 「鍵盤ハーモニカの可能性をとことん追求したい。」 と、語られたでんすけさん。我々に新たなサウンドと感動を与えてくれることを楽しみにしています。そして、その可能性を実現してくれるDRASCOからは目が離せません。次回ライブは未定ですが、是非メンバーのWebサイトをチェックして皆様お出かけください。

追伸
 でんすけさんのブログ野々口さんのブログでライブの模様が紹介されています。セットリストに記された二人のコメントも特徴的です。