date 7月22日(水)/ place 東京 草月ホール
musicians ソウル・フラワー・モノノケ・サミット 〈東京の夏〉音楽祭2009 に出演されたソウル・フラワー・モノノケ・サミット。そこでメロディオンを演奏しているのが中里かおりさん。「ものすごい鍵ハモ吹きがいるのですが、会ってみませんか。ぼくが知る限りで彼女ほど情熱を持ったプレイヤーはいませんよ。」と、紹介してくれたのは達人・夏秋文彦さんだった。 「鍵盤ハーモニカしか演奏されないのですか・・・と問われることがよくあるのですが、これっておかしくありませんか。例えば、ベーシストやドラマー他に何の楽器を・・・とは聞かないですよね。これはピアノやキーボードのオマケ楽器みたいな認識なのでしょうか。」と、世の中を切って捨てたのは初対面のときだった。鍵盤ハーモニカをメイン楽器にという立場にこだわっているところが小気味良い。 姫のお気に入りはPRO-37v2、このリードサウンドにとことん惚れこまれている。愛機のPRO-37v2は小柄な姫に合わせて手バンドは5センチほど吹き口側に移動されている。本体カバーに取り付けられた金具はコンタクトマイクを取り付けるためのアタッチメントである。 「私はこの楽器の生音が(PRO-37v2)が一番気に入っています。しかし、困ったことに、音響さんによっては、ものすごく平坦な響きやキンキンしすぎた音出PAから出されてしまうこともあります。『これは自分の音ではない。』と感じさせられる場面がよくあります。もっと、この楽器の美味しい音が広く理解されると嬉しいですね。」と、アコースティックの響きをとても大切にされている。鍵盤ハーモニカの申し子と呼ぶに相応しい姫である。
ソウル・フラワー・モノノケ・サミットはロックバンド、ソウル・フラワー・ユニオンの別働ユニット。民謡、俗謡、大衆歌謡をチンドンの響きに載せて演奏するアコースティックバンドである。今回の音楽祭では三線を片手に沖縄からハワイに渡った移民たちが歌った「ホレホレ節」と、阪神淡路大震災の被災者たちを勇気づけてきたモノノケ・サミットの演奏がガッチリとタッグを組んだ。疲れ荒んだ心を音楽で癒す。日本の声と音が与えてくれる活力。共にステージに立った琉球民謡の名手・大工哲弘さんとソウル・フラワーの中川敬さん、フィールドの違いこそあるものの、平和への思いをそれぞれの歌に乗せている。 「PRO-37v2はぐいぐい攻めるプレイをするときのクラリネットのような力強さがあり、ソロでの旨味もあり、ハーモニー楽器としても美味しいところにいける。HAMMOND 44の生音はファゴットかオーボエのような丸みのある音色で、弦楽器やウィスパーボイスのような演奏もできるかな。PRO-37v2を持てば野生児のように、HAMMOND 44を持てば野に咲く花のように・・・楽器のキャラクターの違いが演奏にまで現れてしまいますね。」と、笑いながら語る姫。 その言葉通り、クラリネットとアコーディオンが登場する今回のステージではこの2本を吹き分けている。ユニゾンが多い曲調の中ではアコーディオンとクラリネットの中間的なサウンドのPRO-37v2がメロディーを厚くしている。ちょっと聴くだけではつなぎのような役割であるが、姫のリードサウンドはとてもパワフルである。一方、HAMMOND 44に持ち替えるとアコーディオンのトレモロ(重音)とは一味違う澄み切ったリードサウンドを奏でる。大所帯のバンドの中でも埋もれることなく鮮やかな色彩を発している。 ステージ上の姫を見ていると、いよいよ鍵盤ハーモニカも曲の持つイメージや表現したいサウンドの全体像によってセレクトする時代がきたことを実感させられる。すべてを賄える究極のリードサウンドも必要だが、それぞれのミュージックシーンに特化した個性的なリードサウンドが鍵盤ハーモニカの用途を広げていくことにつながるのではないか。そのようなインスピレーションを存分に感じさせるステージだった。 手を伸ばすと涼しげな風が吹き抜けていく。バンドと鍵盤ハーモニカの一体感が際立っている。 【ライブのお知らせ】 鍵ハモ姫・中里かおりさんの参加するソウル・フラワー・モノノケ・サミットのライブが京都、名古屋、東京でおこなわれます。是非皆様お出かけください。 ソウル・フラワー・モノノケ・サミット with 新良幸人
盆踊りツアー
|



