ハモンド・スズキの日々是、口風琴 -きままにメロディオン-

ライブ告知板


2009年 12月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
<<>>

月別アーカイブ

最近のエントリー


第44回 Ken's Bar 2009 Winterに
   HAMMOND 44登場しました
2009年12月28日(月)
date 12月23日(水) / place さいたまスーパーアリーナ

 さいたまスーパーアリーナに27,000人のファンを集めた平井堅さんのKen's Bar 2009 Winter。アコースティックライブということでピアノ1台、ギター1本で平井堅さんの歌が聴けるという本当に贅沢なライブです。もちろんピアノは鈴木大さん。先週もソロライブで素晴らしいサウンドをお聞かせいただいたばかりです。
 リハーサルを終えたばかりの鈴木さんにお招きいただき暫し歓談。平井堅さんとの出会いはお二人の学生時代からというだけに彼此18年にもなるそうです。Ken's Barではマスターの堅さんのよき片腕で、ピアニスト兼チーフマネージャーとも呼べる存在ですね。今回は平井堅さんの初期の名曲でHAMMOND 44を演奏されるとうかがい、開演前から期待が膨らむばかりです。


 夏に行われたKen's Barのツアーでも堅さんとギターの石成正人さんとのトリオでHAMMOND 44を演奏されていましたが、歌とギターと鍵盤ハーモニカの組み合わせは本当にアコースティック感を刺激するのに十分すぎるものです。鈴木さんは鍵盤ハーモニカの位置づけを歌とピアノの中間にある楽器。と例えられますが、まさに今回の演奏もそれを代弁されるようなもの。歌と楽器の間を演奏する息がしっかりとつないでいます。空気感を味わえる鈴木さんの演奏は目の前の風を鮮やかに着色してくれる。意気に込められた思いが彩り豊かな音となって運ばれてくる。本来ならば歌と伴奏という立場なのだろうが、堅さんの歌までが楽器のように感じられ平等な立場でのトリオを形成してしまう。絡み合う音以外、そこには存在しないのである。
 鈴木さんによって拓かれる鍵盤ハーモニカの可能性。それは進取の技法ではなく音という原点にある。人と音の融和によって生まれる感動。それは音と向き合う姿勢にあることを鈴木さんは示された。小さな楽器だからこそグランドピアノにも負けないくらいに誠心誠意演奏される。そのような姿に感動を覚えた夜でした。

 このライブの模様は2010年2月6日(土)夜7時20分〜WOWOWにて放送されることになりました。会場にお越しいただけなかった方は是非、お茶の間でお楽しみください。
 また、10月21日に発売されたシングル「僕は君に恋をする」の初回限定版には、5月28日に限定10名を招待しておこなわれた「Ken's BarⅡ」Release Party Special!の模様が収録されています。そこでも鈴木さんのHAMMOND 44の演奏がお楽しみいただけます。


第43回 きよしこの夜はHAMMOND 44と
「鈴木大 初ソロツアー”Forever Christmas”」
2009年12月25日(金)
date 12月18日(金)/ place 高田馬場 四谷天窓comfort
musicians 鈴木大(HAMMOND 44&piano) guest 大神田智彦(bass)

 2009年、HAMMOND 44で2枚のアルバムをリリースされた鈴木大さん。どちらもアコースティックリードの魅力を十分に伝えられ、疲れた心に安らぎを吹き降ろしてくれる作品ばかりです。今回は2枚目のアルバムタイトルの通り、HAMMOND 44による聖なる一夜をお届けいただきました。


 鈴木さんといえば平井堅さんのサポートメンバーとしても活躍中、Ken’s Bar では美しいピアノを奏でられています。泣けるバラードからグルーピーなポップまでを自在に操る鈴木さんは、HAMMOND 44に生命を注ぐように息を吹き込まれています。そして、「この楽器は歌とピアノの中間に位置すると僕は思っています。」 と紹介されるように、彼のサウンドはとても繊細。リードの鳴り初めから鳴り終わりまで、リードの振動が目に見えるように伝わってくるのです。きらびやかな高音部以上に豊かな低音部の響きが心地よく耳に残ります。


 今回は年末のツアーの最中ということもありミュージシャンたちは忙しく、文字通りのソロツアーだ。Ken’s Barで共演されているベースの大神田智彦さんが応援に駆けつけられたのみである。そのため、鈴木さんはアルバムとは味わいの異なるオケを作られてツアーに臨まれた。
 オープニングの「SILENT NIGHT」では果てしなく広がるようなストリングスの大河の中からチャイムの響きが時を告げる。そして、降り注ぐ光のようにHAMMOND 44のリードサウンドが主題を歌う。「JOY TO THE WORLD」ではリバーブたっぷりのパットサウンドの中をグロッケンが泳いでゆく。時間をかけて、時間を忘れてHAMMOND 44の旋律へと誘う。それを聞く人たちはホールの大きな窓に映る景色と同化して音楽に飲み込まれていく。とても雄大な鈴木さんの音楽観であるが、そこには難しい解釈などは必要なく「歌う」という原点のみが存在している。
 「HAMMOND 44という楽器のおかげで新たな方向性を発見された。」と語られる鈴木さんであるが、我々も「歌う」という楽器の本質を見つめ直す機会をいただきました。2010年、更なる飛躍を楽しみにいたします。


第42回 2009年、振り返るとDRASCO
   「jazz unit DRASCO 5
th LIVE」
2009年12月21日(月)
date 12月13日(日)/ place 原宿 クロコダイル
musicians 関藤彰子(flute) とりのでんすけ(鍵盤ハーモニカ&key) 藤枝暁(guitar)
       野々口毅(bass) 安井希久子(percussion)

 今年の春にでんすけさんと出会ってからDRASCOのライブに足を運ぶのは4回目となった。今回の演奏は老舗のライブハウス「原宿クロコダイル」、少し高めのステージはレトロさの中にミュージシャンの聖域を感じさせている。そして、バックに君臨するワニはどれだけのミュージシャンのサウンドを飲み込んできたのだろうか。今夜も口を大きく開けて開演を待っている。


 ショパンの「ノクターン」でスタートした今夜のライブ、テーマを弾いたのは藤枝さんのギターだった。まろやかなガットの響きが師走の慌しさを忘れさせ、まだ来ぬ春の日差しを感じさせてくれる。そして、テーマは安井さんの軽快なリズムに誘われて、でんすけさんのピアノ、野々口さんのベースへと引き継がれていく。関藤さんのフルートが歌い上げていく中、でんすけさんが背負っていたHAMMOND 44を持ち替えて掛け合いが始まる。
 DRASCOを初めて聴いたときの衝撃がこのサウンドだった。HAMMOND 44とフルートの絶妙なからみが音のスピードを加速させている。エキサイトするとお互いのピッチが離れていく特性を持つ楽器のデュオであるが、不自然な響きも何時しか心地よい響きとなって終止をむかえる。しかしながら感心させられるのは、キーボードを叩きながら安定しないHAMMOND 44を操るでんすけさんの妙技である。


  DRASCOのライブに足を運ぶたびに感じるのは居心地の良さである。何だか聴いている側が主役になれるような、とても不思議な気分になるのである。そんな時、スナフキンのような雰囲気で多くを語らずに黙々とギターを弾いている藤枝さんに目が留まった。ステージを見渡してみるとDRASCOのメンバーたちがムーミン谷のキャラクターと重なってくる。意識してゆっくりとMCを務める野々口さんはスニフ、常に蝶を追いかけているヘムレンさんのようなでんすけさん。安井さんのパーカッションはミーの言葉のように小気味良い。関藤さんは・・・、吹いていないときも音楽を作っている。ニンニのようなキャラクターかな・・・。主役のムーミンたちは聴いている人すべてが演じている・・・、と勝手な妄想についつい浸ってしまうのであった。


 「今年1年の集大成」、と野々口さんが口にされた演奏は2009年のDRASCOとしての活動を完結するのにふさわしいものであった。バンドとして未完成の中に秘めた可能性、それが聴くたびに霧のはれるように姿を現してきた。調和と破壊を繰り返しDRASCOとしての音楽が完成されていく。初めてのときはでんすけさんの高速プレイに目を奪われ関心が集中したのだが、今となってはそのプレイもDRASCOの一場面にしか過ぎなくなっている。鍵盤ハーモニカという楽器を取り上げ、それを音楽として昇華させていったメンバーたちの1年に感謝の気持ちでいっぱいである。2010年、DRASCOが新たなページを開くことを楽しみにしています。


第41回 倉田信雄さんもHAMMOND 44
2009年12月10日(木)
 7月に紺野紗衣さんから普天間かおりさんのライブ「鍵盤ナイト〜普天間かおりとSix Hands〜」にお誘いをいただいた。このときは3人のピアニストがピアノ、エレピ、ハモンドオルガンとHAMMOND 44、アコーディオンを演奏し、文字通り6本の手で普天間さんと音楽を紡ぐライブであった。透明感のある普天間さんのボーカルとピアニストたちの繊細なタッチのキーボードプレイが絡み合うアコースティック感を満喫したひと時だった。その時、紺野さん、宇戸俊秀さんとともに出演されていたのがピアニストの倉田信雄さんだった。



 倉田さんといえば、さだまさしさんのコンサートツアーのバンマスであり、数多くのアーティストのプロデュース、コンサートのサポートをされてこられた音楽界の大御所である。気さくなお人柄の中からも眩いほどのオーラが発せられている。リハーサルで倉田さんがHAMMOND 44を演奏している場面を写真に収めたかったのだが、あまりにもラフなスタイルだったのでシャッターを押すのが憚られたものだった。しかし、本番のステージに上がられた倉田さんはリハーサルとは色違いのラフなスタイルであった。そんな苦悶を知ることもなく、「11月にさださんのコンサートツアーで浜松に行きます。そのときはHAMMOND 44を演奏しますからお越しください。」と、声をかけていただいたのだった。

 楽器フェアの開幕した11月5日、新製品の発表とは別に向かった先はアクトシティ浜松、リハーサルを終えた倉田さんは笑顔でステージに招かれた。倉田さんのセットの中心はもちろんグランドピアノである。その上にはトライトンがマスターキーボードとして置かれ、脇にはノードとモチーフが並べられている。オルガンサウンドはノードを使用されており、後ろに置かれたLeslie2101に接続されている。「小さなLeslieだけど、これがあるおかげでオルガンらしい演奏ができています。」と、お褒めの言葉をいただいた後、念願の写真を撮らせていただきました。


 HAMMOND 44が演奏されたのは「勧酒〜さけをすすむ〜」の時だった。特別なエフェクトを通しているわけではないが、ラインを通した倉田さんのリードサウンドは格別なものであった。低音から高音までフラットに増幅されるHAMMOND 44は楽曲とほどよく溶け合い、暖かく全体を包み込むリードの響きであった。別の場面でマリンバの宅間久善さんの演奏したPRO-37v2はソロパートを担うきらびやかなリードサウンドで、マイクとの距離感を感じられる演奏だった。鍵盤ハーモニカも場面ごとに特色を持ったプレイができるようになったことを実感させられた。

 話し上手なさださんのトークに笑わされ、バンドの奏でるイントロで音楽に誘われ、さださんの詞の世界に引き込まれていく。夢幻のごとく時間が過ぎ終演をむかえた。たった1曲ではあったが、「秋桜」を弾いた指で奏でられたHAMMOND 44の演奏はいつまでも耳に残る晩秋の響きとなった。