date 12月13日(日)/
place 原宿 クロコダイル
musicians 関藤彰子(flute) とりのでんすけ(鍵盤ハーモニカ&key) 藤枝暁(guitar)
野々口毅(bass) 安井希久子(percussion)
今年の春にでんすけさんと出会ってからDRASCOのライブに足を運ぶのは4回目となった。今回の演奏は老舗のライブハウス「原宿クロコダイル」、少し高めのステージはレトロさの中にミュージシャンの聖域を感じさせている。そして、バックに君臨するワニはどれだけのミュージシャンのサウンドを飲み込んできたのだろうか。今夜も口を大きく開けて開演を待っている。
ショパンの「ノクターン」でスタートした今夜のライブ、テーマを弾いたのは藤枝さんのギターだった。まろやかなガットの響きが師走の慌しさを忘れさせ、まだ来ぬ春の日差しを感じさせてくれる。そして、テーマは安井さんの軽快なリズムに誘われて、でんすけさんのピアノ、野々口さんのベースへと引き継がれていく。関藤さんのフルートが歌い上げていく中、でんすけさんが背負っていたHAMMOND 44を持ち替えて掛け合いが始まる。
DRASCOを初めて聴いたときの衝撃がこのサウンドだった。HAMMOND 44とフルートの絶妙なからみが音のスピードを加速させている。エキサイトするとお互いのピッチが離れていく特性を持つ楽器のデュオであるが、不自然な響きも何時しか心地よい響きとなって終止をむかえる。しかしながら感心させられるのは、キーボードを叩きながら安定しないHAMMOND 44を操るでんすけさんの妙技である。
DRASCOのライブに足を運ぶたびに感じるのは居心地の良さである。何だか聴いている側が主役になれるような、とても不思議な気分になるのである。そんな時、スナフキンのような雰囲気で多くを語らずに黙々とギターを弾いている藤枝さんに目が留まった。ステージを見渡してみるとDRASCOのメンバーたちがムーミン谷のキャラクターと重なってくる。意識してゆっくりとMCを務める野々口さんはスニフ、常に蝶を追いかけているヘムレンさんのようなでんすけさん。安井さんのパーカッションはミーの言葉のように小気味良い。関藤さんは・・・、吹いていないときも音楽を作っている。ニンニのようなキャラクターかな・・・。主役のムーミンたちは聴いている人すべてが演じている・・・、と勝手な妄想についつい浸ってしまうのであった。
「今年1年の集大成」、と野々口さんが口にされた演奏は2009年のDRASCOとしての活動を完結するのにふさわしいものであった。バンドとして未完成の中に秘めた可能性、それが聴くたびに霧のはれるように姿を現してきた。調和と破壊を繰り返しDRASCOとしての音楽が完成されていく。初めてのときはでんすけさんの高速プレイに目を奪われ関心が集中したのだが、今となってはそのプレイもDRASCOの一場面にしか過ぎなくなっている。鍵盤ハーモニカという楽器を取り上げ、それを音楽として昇華させていったメンバーたちの1年に感謝の気持ちでいっぱいである。2010年、DRASCOが新たなページを開くことを楽しみにしています。