ハモンド・スズキの日々是、口風琴 -きままにメロディオン-

ライブ告知板


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第54回 50年目のメロディオン、この夏発売 !
2010年4月30日(金)
 1961年に国産初の鍵盤ハーモニカ「メロディオン」が誕生して今年が50年目となります。そしてこの夏、PRO-37v2をベースとした誕生50周年記念モデルが3種類発売されます。
 メロディオンの最上位機種となるPRO-37AS。マット仕上げによるカッパーブラウンの落ち着いた外観を持つこのモデルは人と楽器の触れる3点にこだわりを持ちました。まずは、右手が触れる鍵盤はつや消しのマット仕上げ。PRO-37v2の深めの鍵盤ストロークでも指に馴染みがよく心地好いフィンガリングが得られます。次に、左手をホールドするハンドストラップはHAMMOND 44に採用されたもの。更に異なる2つの角度に付け替えられるため演奏のためのベストなポジションが約束されます。最後に、息を吹き込むマウスピースは金管楽器と同じく、真鍮を削りだして金メッキを施しました。

PRO-37AS

■ハンドストラップ ■セット一覧

PRO-37AS
税込価格 ¥41,790(本体 ¥39,800)

鍵盤・音域:アルト37鍵 f〜f3
仕 上 リン青銅テーパーリード リードプレートメッキ仕上
アルミ製特製カバー(カッパーブラウンマット仕上)
鍵盤マット仕上
寸 法 500×110×65mm
重 量 本体1000g ケース360g
付属品 特製ショート唄口、トランペット型ショート唄口、卓奏唄口セットBL、セミハードケース(ブラウン)

 スポーティーなイメージのPRO-37ARとPRO-37ABはマット仕上げの本体とミラー加工のサイドカバーが特徴です。ハンドストラップはPRO-37ASと同様の可動式、ソフトケースはHAMMOND 44タイプのリュック式を採用しました。

PRO-37AR
PRO-37AB
■セット一覧
PRO-37AR/AB
税込価格 ¥31,290(本体 ¥29,800)

鍵盤・音域:アルト37鍵 f〜f3
仕 上 リン青銅テーパーリード リードプレートメッキ仕上
アルミ製特製カバー (PRO-37AR=シャイニングレッド)
(PRO-37AB=シャイニングブルー)
寸 法 500×110×65mm
重 量 本体1000g ケース320g
付属品 特製ショート唄口、立奏唄口、卓奏唄口セットBL、ソフトケース (PRO-37AR=ブラック×レッド)
(PRO-37AB=ブラック×ブルー)

 誕生50周年記念モデルは3種類とも500台限定でそれぞれにシリアルナンバーが記されています。また、金属製マウスピース、ストレートタイプの卓奏セット (ブラック)、専用ケースにつきましては個別販売をいたしません。
 誕生50周年記念モデルにつきましては全国の楽器店におきまして先行予約を承ります。


■ 以下のスズキ製品取扱店にて誕生50周年記念モデルをご覧いただけます。

札幌  two-five札幌イーアス店
東京  山野楽器 銀座本店
東京  池部楽器 鍵盤堂
東京  石橋楽器店 渋谷WEST
東京  ヤマハミュージック東京 渋谷店
東京  山野楽器 サウンドクルー吉祥寺
東京  谷口楽器
横浜  山野楽器 センター北店
名古屋 ヤマハミュージック東海 名古屋店
名古屋 石橋楽器店 名古屋栄店
名古屋 two-five名古屋ワンダーシティ店
大阪  石橋楽器店 心斎橋店
大阪  石橋楽器店 梅田店
大阪  大東楽器 住道店
大阪  三木楽器
神戸  リードマン 三ノ宮店
広島  ヤマハミュージック中四国 広島店

第53回 DRASCO アルバム発売ライブ
  DRASCO @ STB139
2010年4月30日(金)
date 4月26日(月) / place STB139
musician 関藤彰子(flute) とりのでんすけ(key&鍵盤ハーモニカ) 藤枝暁(guitar)
      野々口毅(bass) 尾川太郎(drums) 武井功(percussion)

 名ばかりの春が続いた東京に本格的な春の日差しが訪れたのはスィートベイジルでDRASCOのライブがおこなわれた日のことだった。昨年4月に出会ってからライブ会場が毎回大きくなっているのは、ヤドカリのように以前の殻には収まらないほどDRASCOファンが増殖しているからである。今夜もスィートベイジルのフロアは埋め尽くされ、開演を待つ客席からは談笑とリズミカルにナイフを動かす音が聞こえている。
 定刻、高速3拍子にのってライブはスタートする。野々さんのグルーブ感豊かなベースライン、アキラ君の豊かに膨らむドライブのかかったギターサウンド、軽やかな彰子さんのフルート、でんすけさん(※ご本人が本名の山本泰照を名乗ることになりましたので以後ヒロアキさんと記述いたします。)のHAMMOND 44高速パッセージもいっそう磨きがかけられている。しかし、それ以上に変わったのはリズムセクションである。今回からドラムに尾川太郎さん、パーカッションに武井功さんが参加されることになった。リズムセクションが充実することでビート感が強調されるかと思ったのだが、以前よりもデリケートなサウンドとなっている。ひとりで叩いているときのアグレッシブさとは裏腹に繊細な音の粒が刻まれている。そして必要なときだけパワフルなビートが伝わってくるのである。
 この後、定番となってきたDRASCOのナンバーたちも登場するが、一味違った味付けに生まれ変わり輝きを増す。そしてヒロアキさんの鍵ハモプレイも高速パッセージだけでなく、HAMMOND 44とHYPERの吹き分けが際立ってきた。特に彰子さんのフルートと絡むときHYPERは圧巻である。Chaserという言葉が脳裏に浮かぶように、先を走るフルートとそれを追うHYPERの構図がバランス良く組み立てられている。HAMMOND 44のときはお互いが疾走することでスピード感を感じていたが、HYPERのエネルギッシュな音の立ち上がりが微かな時間差を作り、更なる臨場感を与えている。どこまでも進化していく鍵ハモプレイヤーである。
 


 また、今夜のライブにおいて大きな意味を持ったのはファーストアルバム「THEATER」の存在である。バンドとしてひとつのことを成し遂げた誇りがサウンドとなって現れている。アルバムを作ることでより客観的にバンドと向かい合ってきたことがDRASCOをより高い水準にひき上げたのだろう。そして、満面の笑みのヒロアキさんからプレゼントされたディスクを再生したときの衝撃は想像を絶するものであった。それはレコードに針を落としてしたころのような暖かく奥行きのあるサウンドであった。アナログ録音にこだわった彼らの本質がそこに垣間見ることが出来た。

ご紹介
Jazz unit DRASCO “THEATER“
1. prairie oyster
6/8拍子ではなく、3拍子を保持することでエッジの立ったアグレッシブな拍子感を演出、偶数拍で加速度を増すドラミングがなんとも心地好い。冒頭のテーマはHYPERとフルートのユニゾン、吹き込むとベンドするHYPERがフルートにぶら下がるように進行するときのワイルドな響きが斬新である。程よくドライブするギターサウンドはHYPERとのコントラストが冴え、音楽全体を都会的なカラーに染めている。
2. garden(rev.)
憂いのあるベースラインから始まり、気だるいようにピアノのコードが時を刻む。その重苦しい雰囲気を嫌うかのようにフルートがテーマを歌い音楽は開放されていく。ガットギター、ピアノへとソロが移りHAMMOND 44とフルートのデュオで絶頂を迎える。そして、やがて帰る静寂には不安という文字は払拭されている。
3. mebuki
生命力に富んだこの曲は生きる喜びを感じさせてくれる。冒頭のピアノのカデンツァが終わり、刻み始めたカホンの力強いリズムが音楽を支配する。そしてベースがテーマを歌い始めtuttiへと広がっていく。何といってもこの曲を特徴づけているのはベースラインである。中間部のソロはもちろんのこと、後半へと煽動するベースのリズムがメロディーラインを引き立てている。作品中、最もスケールの大きいナンバーである。
4. dear pon
ギターのイントロに誘われ HYPERが哀愁のこもったメロディーをしみじみと歌い始める。フルートが加わった後、ギターソロへと移る。クリーンなギターサウンドで朗々と歌われる中間部は大人のバラードの真骨頂とも呼べるもの。流れる時間を楽しみながら聞いていたいナンバーです。
5. tampopo
7/8拍子という複雑な拍子を感じさせない自然なグルーブに驚かされるのがこの曲。センチメンタルなフルートとベースのデュオによるテーマが印象的、バックに流れているHAMMOND 44のコードも心地好い。カホンのフィルインによって始まる中間部ではHAMMOND 44のアグレッシブなフレーズが疾走する。Mebukiで見せたHYPERの高速プレイとは一味違うライトテイストな響きが躍動感を倍増させている。
6. sand
ガットギターとHAMMOND 44が奏でるボサノバは文句なし。途中、メロディーがベースへと移るところが最もDRASCOらしいところ。ここまでベースに歌われてしまったら二の句が出ないものである。中間部のギターソロでは味のあるスキャットが加わってアコースティック感を満足させてくれる。後半のベースソロは勿論だが、エンディングへと向かうベースラインは是非聞いていただきたいところである。
7. butteredrum
DRASCOのレパートリーの中でもフュージョン色が濃いのがこの曲。冒頭のタイトなスネアのリズムとアグレッシブなベースラインを背景に深めディレイのギターがイントロを構築する。そして登場するフルートのテーマが音楽を加速させていく。プレッシャーの強いアタックが程よい緊張感となりエキサイティングな響きを作り上げている。
8. constellation
オカリナがやさしく歌い上げるメロディーはどこか懐古的で憂いを感じさせてくれる。中間部はとても繊細な響きのベースソロが印象的である。この曲を支配しているのは終始かなでられているアコースティックギターであるが、随所随所で垣間見られるキーボードプレイも音楽を楽しませてくれている。
9. orange
パルマとカスタネットが刻むスパニッシュなリズム、HAMMOND 44とフルートによる陽気なメロディーでスタートするこの曲。フラメンコの響きを拒むかのようなスチール絃の響きに興を覚える。反対にカホンの響きがトケの役割を果たしている。明るく軽快なスパニッシュな音楽は情熱的な中間部を迎える。ここからはHAMMOND 44の独壇場、パルマにのって熱く歌う。喜怒哀楽すべてが込められた人間味溢れるDRASCOのナンバーです。

CDの販売については現在のところライブ会場のみの取り扱いとなっています。次回のDRASCOのライブは7月6日(火) 南青山のMANDALAにておこなわれます。ご期待ください。

第52回 CARAVAN “Luck and Pluck TOUR”2010
  旅するHAMMOND 44
2010年4月23日(金)
date 4月18日(土) / place なんばHatch

 HAMMOND 44が発売した折、キーボードマガジン誌のレビューを書いていただいたのが堀江博久さんだった。一度お会いしたいとは思っていたのだが、会えないまま1年半が過ぎていた。ところが、CARAVANのツアースタッフから突然舞い込んできたHAMMOND 44のメンテナンスの依頼主が堀江さんだった。そして、この千載一遇の機会に嬉々として大阪へ出かけたのであった。


 旅するミュージシャンCARAVANとは鈴木楽器のハーモニカ営業のスタッフが入魂で木製のピュアハープを使用していただいている。そして、彼のステージをキーボードとギター、2足の草鞋でサポートされているのが堀江博久さんだ。ギターの弾けるキーボーディスとなのか。キーボードの弾けるギタリストなのか。とにかく、マルチな才能の持ち主である。
 1週間ぶりにHAMMOND 44と再会された堀江さんは、「以前からM-36を使用してきたから、HAMMOND 44の音は違和感なく使えます。特にM-36よりも音域が上下にあるところは魅力です。音楽の幅がひろがりました。」と、切り出される。そして、「海外のミュージシャンの間で、特にイギリスのレゲエシーンではメロディオンは定評ありますよ。メロディカではないのです。ぼくのM-36を見て『M-36か、それはいい楽器だ。俺はM-32だけど。』などと褒められたり・・・。とにかく、下の音と相性がいいのですね。」 と、メロディオンについて話し出された。メンテナンスの間、モニターを依頼したHAMMOND 44 HYPERについては、「ぼくとしては本体の中で共鳴しているHAMMOND 44のリードサウンドのほうが好みです。ふくらみのある音のほうが、このステージでは前に出てくる感じですね。」 と感じたままを率直に話してくれた。


 また、HAMMOND 44最大の特徴であるラインサウンドについても堀江さんはいろいろと試みていられる。ミキサーのセンド/リターンにエフェクターを2台接続されている。ダッチパッドに軽く触れるとディレイがかかったり、トレモロがかかったり、メロディオンとは思えない不思議なサウンドが繰り出されてくる。しかし、この新しいサウンド以上に嬉しかったのはCARAVANとのデュオでHAMMOND 44を吹きながらフロントに出てこられたことだ。「キーボーディストがフロントに立つ。」 これこそがHAMMOND 44の発売時に描いた構図であった。目の前でCARAVANと視線を交わし、肩をぶつけて演奏している姿、お互いの鼓動を感じながら音楽を奏でる姿に感動を覚える。
 なんばHatchのフロアを埋め尽くしたCARAVANのステージ。歌と旅の延長には友がいる。ギター1本で音楽を語る。仲間とともに音楽を語る。そして、多くの仲間が聞いてくれる。そんなフリーダムな音楽の世界があってもいい。日々情報が錯綜する今日だからこそ、CARAVANの音楽でスローライフを満喫したくなるものだ。

第51回 SunSet Swish
  ワンマンライブツアー2010 ファイナル
2010年4月21日(水)
date 4月17日(土) / place 渋谷 CCレモンホール

 1月、渋谷・duo MusicExchangeで締めくくられたSunSet Swishの2009ワンマンツアー。原点である歌、ギター、ピアノのアコースティックサウンドに磨きをかけた1年を総括するに相応しい魅力的なステージであった。そして、その時メロディオンのサウンドを奏でていたのがキーボーディストの鶴谷崇さんだった。
 3月末、「ファイナルではHAMMOND 44にチャレンジしますよ。」と連絡があり、リハーサルの最終日には「HAMMOND 44、とてもいい感じで仕上がってますよ。」 と言われたからには、居ても立っても居られなくなり、渋谷へと出かけたのであった。


 リハーサルが終わるのを見計らってステージにお邪魔すると鶴谷さんはキーボードのセッティングをしていた。シーケンスを用いないステージだけにキーボーディスとはとても忙しい。ひと段落着いたところで挨拶を交わすと、「HAMMOND 44吹いたとき来られてました。」 と尋ねられる。そして、聞き逃していた私に、ほんのりディレイで化粧されたリードサウンドを奏でられた。
 1月に聞いた生々しいリードサウンドとは一味違う空間系のサウンドとなり、マイクの収録ムラもないため、シンセとメロディオンの中間のような響きとなっている。しかし、それ以上に驚かされたのが本番でのボーカルとの絡みの良さだ。メロディオン系のリードとは異なり先端部から振動していくHAMMOND 44のリードは立ち上がりの遅れや重さを感じさせることなく、声のように音を紡いでいく。吹き込むことによって横に膨らむこともなく、音のスピード感が加速していく。手癖により発せられる重音の響きがアコースティック感を引き立てる。


 今年、デビュー5周年のSunSet Swish。「デビューする前にとなりの代々木公園でストリートライブをしていました。そして今日、応援してくれるみんなの力でCCレモンホールに立っています。」 と切り出すボーカルの大ちゃん。昨年1年間、全国のライブハウスを回ってきた彼らには、応援してくれる人の温もりが分かりすぎるほど分かっている。男の優しさを感じさせる彼らの音楽に力強さが加わったのは当然のことであろう。代々木公園の桜はほころびたが、彼らがファンの心に咲かせた桜は決して散ることはないだろう。

第50回 前から読んでも、後ろから読んでも、
  「スプラゥトゥラプス」
2010年4月21日(水)
date 3月26日(金) / place 祐天寺FJ's
musician 小川美潮(vo)、吉森信(p)、大川俊司(b)、whacho(perc)、小林武文(ds)

 P-ブロッのメンバーの中で、いつも飄々と風のように流れているのが吉森信さん。前衛的作曲家のリーダー野村さん、レゲエミュージシャンの潤さん、堅気の音楽家のしばさん、暴走系アーティストの加奈さん、本当に個性的なメンバーが揃っているP−ブロッ。どうしてこの人たちがいっしょに音楽をしているのか時々不思議に思うことがある。しかし、メンバー誰に対してもちゃちゃを入れてしまうのが吉森さん。どんなことにもオチをつけてしまう陽気な関西気質、P-ブロッの潤滑油・・・というより「つなぎ」のような存在です。そんな吉森さんだからこそ、日ごろはどんな音楽をしているのか興味を惹かれて、彼のライブにお邪魔しました。


 本日のライブは実力派ボーカリスト・小川美潮さんのユニット「スプラゥトゥラプス」、文字を書くまでは気づかなかったが回文となっている。歌、ピアノ、ベース、パーカッション2名という色彩豊かな編成で、吉森さんは往年の八神純子さんを思い出すエレピと対座していた。
 浮遊感漂う小川美潮さんのボーカルを支えているのはパターンミュージック風なベースラインとリズムセクション。グルービーな吉森さんのピアノはボーカルの浮遊感を加速させていく。叙情的な歌であったり、劇風の語りであったり、スキャットに歌詞を詰め込んだようなものからヴォカリーズ。とにかく彼女の音楽は幅が広く、心地好い独特の世界観へと誘われていく。


 吉森さんが時折演奏するHAMMOND 44も独特の浮遊感でボーカルに絡みつく。ラインで出力されたその音は柔らかく、指先でじゃれるような鍵盤のタッチが伝わってくる。ちゃちゃを入れるような即興的なフレーズ、これは何度かP-ブロッでも耳にしているが、今夜ほどコミカルで音楽を和ませていると感じたことはなかった。人間味溢れるプレイこそが吉森さんの音楽の真髄なのであろう。
 5月4日〜7日まで、スプラゥトゥラプスが関西ツアーに出ます。是非、お近くの方は小川美潮さんの音楽に癒されてください。また、1月15日に発売された吉森さんのアルバム「うたのそばにa song is on your side.」も好評発売中です。ピアノで綴る彼の音楽、かなりエグイ一面もあり楽しく聞ける1枚です。

第49回 春爛漫 鍵ハモ女子活動中! 『関西編』
  ビジュアル
を大切にする系バンド 『ポロッコリー』
2010年4月14日(水)
date 4月11日(日) / place 栗東芸術文化会館さきら アトリウム
musician 岸本早耶香、栗山賀容子、樋口友佳子、ai

 元祖鍵ハモ女子と言えば相愛大学の「鍵ハモ隊」。そして、昨年そのOGたちがほうれん草を食べながら結成したのが「アンサンブルポロッコリー」。(何故ほうれん草なのかは謎である。)  ちなみに『ポロッコリー』とは、ピアノを楽しく弾く様子を表す擬音語「ポロンポロン」と「ブロッコリー」を合わせた造語である。そのような筋金入りの鍵ハモ女子たちの演奏が行われたのは栗東芸術文化会館さきらのロビーであった。


 天気予報では雨となるはずの日曜日であったが、メンバーたちの人徳か、ただの偶然なのか、桜満開の穏やかな休日となった。ロビーコンサート言っても小ホールのようなスペースで椅子が200席ほど用意されている。そして、その椅子もすぐに埋め尽くされてコンサートのオープニングを多くの人たちが楽しみに待っている。午後1時30分、メンバーが入場して、ヘンデルの「水上の音楽」からコンサートは始まった。



 彼女たちの愛器はHAMMOND 44、そして、プログラムによってはHAMMOND BB、HAMMOND 44 HYPER、ソプラノメロディオンを演奏する。HAMMOND 44の茶色のカバーにデコっているイニシャルも綺麗であるが、それ以上に注目したいのは彼女たちの衣装である。お揃いの模様の色違いの生地で作られていて、キャラクターに合わせたデザインとなっている。「ビジュアルを大切にする系バンド」と豪語するは伊達ではなさそうである。そして、ステージ上にはカラーリング豊かな譜面台、そして数々のマスコットたち。見ているだけで楽しい世界へと誘われていく。


 さて肝心な演奏は、というと・・・。それはもう鍵盤ハーモニカを知り尽くした見事なもの、ビジュアルどころのお話ではありません。4人編成で室内楽を奏でてしまう魔法の腕前というよりも、脅威のアレンジ力である。重音で吹くときに高音部が小さくなることを計算に入れた個々のパートの和声、同じ帯域で動いていても打ち消し合うことのない伴奏パート。8割がクラッシック中心のプログラムであっても誰一人として席を立とうとしないのは、音楽の完成度の高さに魅了されているからだろう。
 そして、今回演奏しているHAMMOND 44やBBのラインサウンドも彼女たちの音楽を後押ししている。豊かな音量のベースパート。HAMMOND 44は音の立ち上がりから残音まで、繊細な息による表現を余すことなく伝えている。妥協のない彼女たちの音楽表現がロビーいっぱいに広がっていくのでした。


 また、ポロッコリーの音楽を一層引き立てるのは、打楽器とバスマスターやトイピアノたち。鍵盤ハーモニカだけでは伝えきれないリズム感やフレーズを補っているのだ。特に教育楽器のバスマスターを個人として所有されているのは彼女たち以外にはいないだろう。(結成当時はHAMMOND BBは発売されていなかった。) それだけに彼女たちが低声部を重要視しているのが良く分かる。とにかく、自分たちが最高の音楽を奏でるために一切の妥協をしないのがアンサンブルポロッコリーなのである。
 1時間のプログラムを吹き抜けたポロッコリーを待っていたのは満場の拍手であった。予定外のアンコールに応える彼女たちはとても誇らしく、その音楽は暖かく心に残るものであった。鍵ハモ女子の先駆けとして益々の活躍を楽しみにしています。


第48回 春爛漫 鍵ハモ女子活動中! 『名古屋編』
   「Flying Doctor」
2010年4月14日(水)
date 4月4日(日) / place STARBUCKS COFFEE イオン熱田店
musician unoiyo(sop)、YUIPU(alto+vn)、chi-chan(alto)、CHIIKY(bass)

 名古屋地区で活動をしている鍵ハモ女子「Flying doctor」。その名の由来は「自家用機に乗って遠隔地へ行き治療をするお医者さん」のように、自分達も様々な場所に行き色々な人達と出逢い、自分達の音楽で、出逢った人たちをハッピーに、元気にしたい。という想いからつけられています。今回は彼女たちの演奏を聴きにイオン熱田店の中にあるSTARBUCKS COFFEEにお邪魔しました。


 音大出身の彼女たちが「場所を選ばず手軽に演奏を」、と思い立って選ばれたのが鍵盤ハーモニカ。最初はリコーダーと鍵盤ハーモニカなどでアンサンブルをしていたのですが、ある日CHIIKYがソプラノとかバスのメロディオンを見つけてきて鍵盤ハーモニカのアンサンブルへとたどり着いたのです。そして、作曲が専門のchi-chanが編曲をしてクラッシック、アニメ、ディズニー、タンゴ・・・など、Flying doctorはレパートリーを増やしてきたのでした。
 プログラムのスタートは「ルパン3世のテーマ」から。ベレー帽とめがねというキャラクターからは思いもよらぬステップ&アクション、unoiyoのソプラノメロディオンが木管楽器顔負けのパッセージを吹き抜ける。CHIIKYのバスメロディオンが放つグルーブにYUIPUとchi-chanのアルトが応える。結成から1年を満たないバンドとは思えないポテンシャルである。圧巻なのはYUIPUがバイオリンに持ち替えたときのバンドサウンドだ。リードとストリングスの音溶けが絶妙なのである。その心地好さに時間を忘れる。


 約30分のプログラムではあったが、1曲ごとのサイズが小さいためバリュー感溢れるステージである。そして、彼女たちのレパートリーの広さは世代を超えて共感を持たれている。子供のときに習った鍵盤ハーモニカ、同じ楽器ではあるが子供のときにはできなかった音楽が今ならできる。そして多くの人に聞いて欲しい。そのような思いが十分に伝わってくる。これからどのような音楽を鍵盤ハーモニカで演出していくのかとても楽しみである。
 出番の終わった彼女たちは荷物をまとめると、「これから鶴舞公演に行って、勝手にお花見ライブをやっちゃいます。」と、元気に飛び立っていった。満開の桜とともに奏でられる彼女たちの音楽はどれだけの幸せを運んだことだろうか。

次回、Flying doctorが発進するのは
  4/26 [MON]
  LIVE START 20:00 / LIVE CHARGE ¥1500
  KOKOPELLI Japan 藤が丘店
  http://www.kokopelli-japan.com/shop.htm

  5/9 [SUN]
  11:00〜,13:00〜,15:00〜
  明治村トリエンナーレ2010 『第3回 芸能・芸術祭』
  帝国ホテル中央玄関
お楽しみに。