ハモンド・スズキの日々是、口風琴 -きままにメロディオン-

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第51回 SunSet Swish
  ワンマンライブツアー2010 ファイナル
2010年4月21日(水)
date 4月17日(土) / place 渋谷 CCレモンホール

 1月、渋谷・duo MusicExchangeで締めくくられたSunSet Swishの2009ワンマンツアー。原点である歌、ギター、ピアノのアコースティックサウンドに磨きをかけた1年を総括するに相応しい魅力的なステージであった。そして、その時メロディオンのサウンドを奏でていたのがキーボーディストの鶴谷崇さんだった。
 3月末、「ファイナルではHAMMOND 44にチャレンジしますよ。」と連絡があり、リハーサルの最終日には「HAMMOND 44、とてもいい感じで仕上がってますよ。」 と言われたからには、居ても立っても居られなくなり、渋谷へと出かけたのであった。


 リハーサルが終わるのを見計らってステージにお邪魔すると鶴谷さんはキーボードのセッティングをしていた。シーケンスを用いないステージだけにキーボーディスとはとても忙しい。ひと段落着いたところで挨拶を交わすと、「HAMMOND 44吹いたとき来られてました。」 と尋ねられる。そして、聞き逃していた私に、ほんのりディレイで化粧されたリードサウンドを奏でられた。
 1月に聞いた生々しいリードサウンドとは一味違う空間系のサウンドとなり、マイクの収録ムラもないため、シンセとメロディオンの中間のような響きとなっている。しかし、それ以上に驚かされたのが本番でのボーカルとの絡みの良さだ。メロディオン系のリードとは異なり先端部から振動していくHAMMOND 44のリードは立ち上がりの遅れや重さを感じさせることなく、声のように音を紡いでいく。吹き込むことによって横に膨らむこともなく、音のスピード感が加速していく。手癖により発せられる重音の響きがアコースティック感を引き立てる。


 今年、デビュー5周年のSunSet Swish。「デビューする前にとなりの代々木公園でストリートライブをしていました。そして今日、応援してくれるみんなの力でCCレモンホールに立っています。」 と切り出すボーカルの大ちゃん。昨年1年間、全国のライブハウスを回ってきた彼らには、応援してくれる人の温もりが分かりすぎるほど分かっている。男の優しさを感じさせる彼らの音楽に力強さが加わったのは当然のことであろう。代々木公園の桜はほころびたが、彼らがファンの心に咲かせた桜は決して散ることはないだろう。

第50回 前から読んでも、後ろから読んでも、
  「スプラゥトゥラプス」
2010年4月21日(水)
date 3月26日(金) / place 祐天寺FJ's
musician 小川美潮(vo)、吉森信(p)、大川俊司(b)、whacho(perc)、小林武文(ds)

 P-ブロッのメンバーの中で、いつも飄々と風のように流れているのが吉森信さん。前衛的作曲家のリーダー野村さん、レゲエミュージシャンの潤さん、堅気の音楽家のしばさん、暴走系アーティストの加奈さん、本当に個性的なメンバーが揃っているP−ブロッ。どうしてこの人たちがいっしょに音楽をしているのか時々不思議に思うことがある。しかし、メンバー誰に対してもちゃちゃを入れてしまうのが吉森さん。どんなことにもオチをつけてしまう陽気な関西気質、P-ブロッの潤滑油・・・というより「つなぎ」のような存在です。そんな吉森さんだからこそ、日ごろはどんな音楽をしているのか興味を惹かれて、彼のライブにお邪魔しました。


 本日のライブは実力派ボーカリスト・小川美潮さんのユニット「スプラゥトゥラプス」、文字を書くまでは気づかなかったが回文となっている。歌、ピアノ、ベース、パーカッション2名という色彩豊かな編成で、吉森さんは往年の八神純子さんを思い出すエレピと対座していた。
 浮遊感漂う小川美潮さんのボーカルを支えているのはパターンミュージック風なベースラインとリズムセクション。グルービーな吉森さんのピアノはボーカルの浮遊感を加速させていく。叙情的な歌であったり、劇風の語りであったり、スキャットに歌詞を詰め込んだようなものからヴォカリーズ。とにかく彼女の音楽は幅が広く、心地好い独特の世界観へと誘われていく。


 吉森さんが時折演奏するHAMMOND 44も独特の浮遊感でボーカルに絡みつく。ラインで出力されたその音は柔らかく、指先でじゃれるような鍵盤のタッチが伝わってくる。ちゃちゃを入れるような即興的なフレーズ、これは何度かP-ブロッでも耳にしているが、今夜ほどコミカルで音楽を和ませていると感じたことはなかった。人間味溢れるプレイこそが吉森さんの音楽の真髄なのであろう。
 5月4日〜7日まで、スプラゥトゥラプスが関西ツアーに出ます。是非、お近くの方は小川美潮さんの音楽に癒されてください。また、1月15日に発売された吉森さんのアルバム「うたのそばにa song is on your side.」も好評発売中です。ピアノで綴る彼の音楽、かなりエグイ一面もあり楽しく聞ける1枚です。