ハモンド・スズキの日々是、口風琴 -きままにメロディオン-

ライブ告知板


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第56回「Flying Doctor 50th Model 争奪戦
  Live @ THE SCRATCH
2010年7月20日(火)
date 7月10日(土) / place THE SCRATCH (小牧)
musician unoiyo(sop)、YUIPU(alto+vn)、chi-chan(alto)、CHIKKY(bass)

 名古屋の鍵ハモお嬢さんFlying doctorはメロディオンの看板娘としても大活躍。最近ではHAMMOND 44を手にしてELECTRIC SOUNDでグイグイと攻め込んでいます。今回は50th Modelのレッドとブルーを持って、彼女たちのワンマンライブにお邪魔しました。
 お店に着くなり、ブルーとレッドのショルダーケースを差し出して、「今日使ってみる?」 と差し出すと、即時に飛びついてきたのはunoiyoだった。
 「使います。是非使います。私は赤がいいな。」 と大はしゃぎ、近くにいたYUIPUも寄ってきて、「私も赤がいい。」 物分りのいいリーダーunoiyoは、「じゃあ、ブルーにしよう。」 とレッドはYUIPUに譲り、ケースからブルーを取り出し吹き始める。
 しかし、・・・・・?・・・・・・? アコースティックのときは、unoiyoはソプラノではなかったのだろうか。
 案の定、ブルーは遅れてやってきたchi-chanの手に渡るのだった。本当に物分りが良かったのは、「どうせ、私はバスだから・・・。」 と遠くで眺めていたCHIKKYだったのです。


 オープニングはアコースティックサウンドから。「ディズニー・エレクロニカル・パレード」「リベルタンゴ」の2曲を吹き上げてたくさんの拍手をいただく。そして、看板娘としてMCの腕もグングンあげているunoiyoが50th Modelを紹介して、YUIPUとchi-chanに 「吹いてみてどうでしたか?」 と感想を求めると。
 「かわいいー! 」と、レッドを高らかにあげてYUIPUが叫ぶ。chi-cyanも 「うん、かわいいよね。」 と応じる。
さすがのunoiyoもちょっとムッとしたのだろう、「吹いた感想をもらえたらうれしかったんですけどぉ・・・。」 と睨みをきかせる。
 慌てたYUIPUが、「音がいいですね。学校で使っていたのとは全く違う響きですよ。」
 「そうそう、遠くに音が飛んでいくような感じ。」 とchi-chanが付け加える。
 しどろもどろのコメントになってしまったが、看板娘たちの言いたかったことは、「音の抜けが良くて、吹き応えがある。カラーリングもバッチリ。」ということらしい。
 この後はHAMMOND 44とHAMMOND BB によるエレクトリックサウンドが炸裂するのであった。


 超満席となった今夜のTHE SCRATCH、映画音楽、ブラジル音楽、ジブリ・メドレーなど、Flying Doctorの多彩なプログラムが繰り広げられる。4月に出会ったときはM-37を主体としたアンサンブルでunoiyoのソプラノだけが突出している演奏だったが、HAMMOND 44を手に入れてからは全体の響きがパワーアップ。今まで聴こえなかった部分までが再現されるため演奏の質も驚くほどに向上してきた。中でもメキメキと腕をあげているのがCHIKKYのBBだ。曲想にあわせたトーンバランスで豊かなベースサウンドを奏で、バスメロディオンとは思えないようなベースラインを吹き上げる。まさに、Baby Bassの本領発揮である。そして、前半の最後のRhapsody in Blueへと突入するのであった。



 最早Flying Doctorの定番となっている「ルパン3世のテーマ」からスタートした後半は、パーカッションとベースが加わりサウンドが益々厚くなり演奏も過熱する。CHIKKYのBBもベースに煽られながらもオフビートのグルーブを主張する。後半も4ビートのスタンダードジャズ、YUIPUのバイオリンを取り上げた葉加瀬太郎のナンバー、ビートルズなど、Flying Doctor の多彩なプログラムがフロアに染みていく。ライブがスタートしたときは「鍵盤ハーモニカで何ができるのだろうか。」 と傍観してきた人たちも彼女たちの音楽観に誘われ、純粋に音楽を楽しまれている。フィナーレのチャルダッシュが終わったときには拍手が鳴り止まないのだ。
 慣れないMCに奮闘したunoiyo、何度もマイクに帽子をぶつけたYUIPU、無性にはじけまくっていたchi-chan、、ひたすらBBに息を送っていたCHIKKY。彼女たち4人のステージが新たなメロディオンの扉を開いた。扉の向こうの果てしない空にFlying Doctorはこれからも元気に飛び続けるのだろう。

【お知らせ】
7月25日(日) ヤマハミュージック東海 名古屋店においてFlying Doctorのワークショップ&ミニライブがおこなわれます。皆様是非お出かけください。


第55回 「続・・・3分演奏・5分解説」
 Melodica Trio Collection 2010 〜鍵盤ハーモニカで綴る現代音楽〜
2010年7月20日(火)
date 6月20日(日) / place 西荻窪 Winds Café
musician 野村誠、片岡祐介、渡邉達弘

 一昨年の「Melodica Summit in Tokyo」からスタートした鍵盤ハーモニカで綴る現代音楽。不思議なことに回数を重ねるうちに現代音楽という言葉に対して垣根を感じなくなってきました。とにかく、目の前にいる音楽家が作った作品が現代音楽なんだ… 。などと安易に考えてしまうようになったのも野村誠さんの影響なのかもしれない。

 さて、今回のコンサートは西荻窪のWinds Caféから。JR西荻窪駅を出て商店街を抜け、住宅街を歩いていくと聞きなれたピーとかプーという音が耳に届きます。音をたどるようにして秘密のアトリエ風のWinds Caféへ、ゆっくりと扉を開けるとリハーサルに没頭している野村さんたちの姿が視界に飛び込んでくるのでした。

 現代音楽というものを難しくしてしまったのは学校の音楽室かもしれない。後ろの壁に音楽家の肖像画とともに掲示されている音楽年表、古典派からロマン派、近代派、印象派、現代などと分類されていました。そして、それぞれの代表的な音楽を鑑賞するのだが、子供心に理解できなかったのが前衛的な現代の音楽だった。しかし、3分以内で完結していること。身近な鍵盤ハーモニカのための作品であること。楽曲よりも長時間の解説をしてくれること。この三拍揃った野村企画が身勝手な先入観を打ち砕いたのであった。


 今回演奏されたのは、ここ2〜3年の内に書かれた作品ばかりである。前回の四谷でのコンサートとは全く異なるプログラムとなった。それだけ鍵盤ハーモニカのための作品が増えたということにもつながり、作曲家もピアノやバイオリンではなく、鍵盤ハーモニカを視野に入れた楽曲を作り始めたのである。鍵盤ハーモニカが刻む歴史とともに、多くの楽曲が生まれてくることは大変喜ばしいことである。
 また、このコンサートでは演奏家のキャラクターも現代音楽を身近なものにしているひとつである。音を発する場所までも音楽のファクターとして位置づけている作品では、片岡祐介さんのコミカルな動作が目を釘付けにする。そのため、気づいたときには野村さんたちの音が別の場所から聞こえてくる。まさに、音を楽しんでいる現代人である。しかし、それ以上に印象に残ったのは野村さんのベルカントであった。


 秋からインドネシアに旅立つ野村さんであるが、8月6日にはP-ブロッの不定期公演も予定されている。P-ブロッのメンバーも音楽活動も充実して多忙となっているが、やはり鍵ハモパフォーマンスの原点はここにある。是非皆様8月6日(金)は門仲天井ホール、P-ブロッ不定期公演にお出かけください。リードの響きに耳を傾け、真夏の一夜を過ごしましょう。