date 4月5日(火) / place BACK IN TIME(小岩)
musician 中村尚子(piano) 市川直人(bass) 山本ヒロアキ(鍵盤ハーモニカ) 会うだけで朗らかになれる。そんな不思議な魅力を持っているのが山本ヒロアキさん。今回は山本ヒロアキさん・・・、でんすけさんが上京してから長く住まれていたという小岩へ。改札前のお相撲さんの像の前で待ち合わせです。 「今日はHAMMOND 44ではなくてPRO-37v2ですがいいですか。」 底抜けに明るい顔で言われてしまうと、ダメとはいえませんよね。それに、PRO-37v2も大人のメロディオンですから。 「実は、PRO-37v2ASを買ったのですよ。」 ブラウンのレザーケースを誇らしげに・・・。しかし、一緒に持っているのはPRO-37v2のブラックのレザーケースですね。そうなんだ。今日は2本のPRO-37v2を使うのですね。
軽やかな足取りでBACK IN TIMEに到着。マスターの梶川さん、本日ご一緒するピアニストの中村尚子さん、会う人会う人が「でんちゃん・・」と声を掛ける。小岩はでんすけさんのホームタウンです。 「でんちゃんがはじめて鍵盤ハーモニカを買ったとき、御茶ノ水のお店で私がPRO-37v2を勧めたのよね。」 と口を開いたのは中村尚子さん。自身も今日はメロディオンを持参されている。ベースの市川さんと鍵盤ハーモニカで子供たちにジャズを聞かせる活動もされているのだ。
2台のPRO-37v2を持ち込まれたでんすけさん。クリップマイクを手バンドに装着してチューブアンプとディレイを接続。しげしげと足元を偵察していると、「これを(アンプ)を通すと、これの音になってしまうのですよね。」 と、人懐っこい声が返ってくる。しかし、一番関心があるのはなぜ同じ楽器を2本持ち込んだのか。そして、その答えは実に明快なものだった。 1曲ごとに楽器を入れ替えるでんすけさん。PRO-37v2ASからは乾いたハリのある音が、PRO-37v2はしっとりと深みのある音がするのだ。カバーの材質と鍵盤の質感だけでこれほど違うのだろうか。 「2本のリードは同じですよね。しかし、立ち上がりがPRO-37v2のほうが良く感じるのですが。」 音質の違い以上に吹奏感を問われたでんすけさんだった。これについては、吹き込んでリードが馴染んでいるからですね。 「そうなんだ。こちらももっと吹き込めばリードが馴染んでくるのですね。PRO-37v2はリードが震えるか、震えないかのギリギリのところが気持ちいいですよね。」 これは、HAMMOND 44では味わうことのできない極致ですね。細いペン先で描くラインと、筆の先で描くラインの違いのように、程良くかすれるムラが美しいのですね。
ライブがスタートするとあることに気付く。らしくない・・・。でんすけさんらしくない演奏・・・。高速パーセージが封印されているのだ。吹くことに主体を置いている。今日はキーボーディストではなく、鍵盤ハーモニカに徹しているのです。ギリギリの細い息であったり、内蔵が裏返ってしまうほどに搾り出される力のある息であったり、これこそ鍵盤ハーモニカらしい音と言うのだろうか、リードを鳴らす原点に立ち返っているのです。 でんすけさんのホームタウンで出会った音たち、その音たちを可愛がってくれるミュージシャン、オーディエンス、全ての出会いに心が洗われる夜でした。 |






