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REPORT/河合代介さん師弟とXK-3c2008/08/06

今年は一段と暑い夏となりました。過酷な搬入が付き物のオルガニストたちにとって暑さは天敵、演奏前に体力を奪われてしまいます。そのような中、XK-3cを運ばれている河合代介さん師弟のライブにお邪魔しました。

※写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。

date
7月31日(木)
place
GH9(上野)
musician
峰 厚介(Tenor Saxophone)
秋山 一将(Guitar)
河合 代介(Hammond Organ)

date
7月28日(月)
place
SPUMA(渋谷)
musician
ヤマグチユキノリ
(Hammond Organ)
スガタノリユキ(Drums)

 まずは師匠の河合代介さん、今回はJ-Jazz界を代表するサクソフォンプレイヤー 峰厚介さんとの共演です。ギターには秋山一将さん、お二人とも河合さんが子供の頃から活躍されているプレイヤーです。
 XK-3cのサウンドメイクは河合さんの手腕によるもの。そのお陰でデフォルトのままでストレスなくご使用いただかれるユーザーも多いことと思います。そして、XK-3cがその本領を発揮するのは今回のようなシチュエーションのときでしょう。限られたスペースでハモンドオルガンとしての最大限のパフォーマンスを発揮したいとき。一段の鍵盤にミディ鍵盤、ペダルボードを接続しただけでオルガンの醍醐味が堪能できるのです。
 今回、河合さんが配慮されていた点はレスリースピーカーの向き、2101Pはバスローターがシミュレータのため背面の壁に音をぶつけてバランスをとられています。
 峰さんがリーダーを務める今夜のトリオでは河合さんもお馴染みのナンバーは封印、堅実なプレイで先輩ミュージシャンをサポートされています。ドラムレスの編成だけにバンドのグルーブを司るのはオルガンの役目、五体と五感で音楽と向かい合われています。
そして、ソロが回ってくると本領を発揮。高音部のドローバーを足した勝負サウンドですべてを凌駕してハモンドオルガンの醍醐味を堪能させてくれます。後方に下がり身動きされることなく河合さんのソロを聴かれている峰さん、休符の美学を貫かれているような姿からも音楽が伝わってくるようです。

 峰さんのサックスも秋山さんのギターも世間ではビンテージと呼ばれる使い込まれた楽器です。本来ならばハモンドオルガンもビンテージのもので、という思いはありますが物理的な無理が生じてきます。そのようなときのためにと、河合さんも粉骨注がれて開発に携わっていただいたXK-3c、今夜は十分にそのパフォーマンスを発揮していただきました。
 こちらは弟子のヤマグチユキノリさん、今回はご自身のXK-3を修理に出しているため、師匠の愛機をお借りしてのライブです。緊張の面持ちで搬入されています。
 「XK-3cはすごく弾きやすいですね。今は無理ですが、絶対手に入れます。」と興奮気味のヤマグチさん。「このスタンドも雰囲気出ますよね。」と河合さんオリジナルのスタンドにも食指を伸ばされる。何度となく見てきた師匠の楽器を演奏する自分に師匠の影を重ねているのだろうか。心の高ぶりが伝わってきます。
自身のユニットFULL SWINGの活動は音源配信を中心にして、ソロ演奏の機会を増やされているヤマグチさん、やはり目標とされているのは河合さんとトミー・キャンベルのデュオなのでしょう。今夜はドラムのスガタノリユキさんとのデュオです。お互いが向き合ったセッティングはラジオの公開放送のような趣があります。
 歌物が中心の今夜のプログラム、耳に馴染みのあるナンバーが登場してきます。とても楽しそうにXK-3cを弾かれているヤマグチさんの背中からは「心からハモンドオルガンが好きだ。」という叫びが伝わってきます。河合さん張りの勝負サウンドでソロを駆け抜け、分厚いドローバーサウンドを重ねています。
 ドラムとオルガン、どちらもバンドのグルーブを左右する楽器だけに今回のデュオでは相手の演奏を聴くことと自分のグルーブを出すことの両立がお互いに求められています。まさに五体と五感を研ぎ澄ませてオルガンに向かう姿は師匠譲りとも言えるものでしょう。
 演奏後、「まだまだです。修行が足りません。」と反省されているヤマグチさん。常に師匠の存在を意識しながら、それに正対する一途な姿勢。一つの楽器が結ぶ固い絆を感じさせていただいたライブでした。ヤマグチさんにとってビンテージ以上に値する楽器での体験は今後の演奏活動の大きな糧となったことでしょう。


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