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REPORT/百花繚乱 ! 女流オルガニスト秋の宴2008/10/21

date
10月12日(日)
place Lounge
JAZZ ON TOP (大阪)
musician
市塚裕子、時田薫、松本理恵子、優季(Hammond Organ)、
能勢英史(Guitar)、光田臣(Drums)

※写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。

 日本の誇るオルガニストたちの愛弟子が集まった今回のライブ。男子禁制というわけではないのだがホール内はお友達の女性陣でいっぱい。これから始まろうとしているステージを熱気ムンムンで盛り上げています。
 オープニングを努めたのはワイエスコーポレーション山本社長の秘蔵っ子、松本理恵子さん。ほのぼのとした風貌とは裏腹に、パンチの効いたオルガンサウンドは師匠・小野みどりさん譲りのもの。分厚いサウンドをグイグイと押し込んできます。師匠の十八番「グリーンスリーブス」をプログラムのラストに組み込み存在感をアピール。師匠のグルーブには及ばないものの、「小野みどり」を知り尽くした大阪で演じきった心意気は賞賛すべきもの。大器の片鱗を見せ付けたステージでした。


 次に登場したのは市塚裕子さん、彼女がプログラムに組み込んだのは昨年ハモンドコンクールで松本さんが演奏した「MISTY」、アウェイである大阪にバトルモード全開で乗り込んできた模様です。今回は得意のファンクは封印してスィング感のあるオルガンジャズで責めています。独特の間(ため)と下を響かせるサウンドワークは師匠・河合代介さんを髣髴させるもの。幾多のオルガンプレイヤーが挑んだB-3に怯むことなく挑戦していきます。
 そして、時折天を仰ぎながら演奏する姿、疾走気味のペダルワークはもう一人の師匠・大高清美さんの影が垣間見える。関東の誇る実力派オルガニストのDNAが大阪で炸裂しています。


 今宵、フレッシュなオルガニストをサポートしているのはギターの能勢英史さんとドラムの光田臣さん。二人とも師匠たちとの共演も多々あり、オルガンジャズを知り尽くしているジャズメンです。オルガニストの表情を常に気にされながらクリーンなギターを奏でている能勢さん、少しオーバー気味のアクションでグルーブを示している光田さん、二人の強力なサポートがフレッシュなオルガニストたちに輝きを与えています。


 それぞれが引き終えた後は大阪名物オルガンバトル、まずは松本さんがXK-EVOLUTIONに向かい、市塚さんがB-3に向かいます。今回のXK-EVOLUTIONには河合代介さんがチューニングしたLeslie2101mk2が接続されています。チューブプリアンプを内蔵したLeslie2101mk2には3つのキャビネットタイプがプリセットされていて、今回使用したのは21Hタイプのもの。河合さんからは「ちょっとコントロールが難しいかな。」と言われていますが、50年代のジミー・スミスのレコーディングで使用されていたレスリーをモチーフとしたサウンドです。


 河合さんのB-3とLeslie21Hを拝借して細部に渡って作りこんだサウンドだけに今までのLeslie2101とのサウンドの違いは歴然としたもの。市塚さんはあらかじめ手ほどきを受けていたのですが、初対面の松本さんは、「私のと別物。」と、驚きを隠せません。そして、河合好みとも呼べるサウンドをすっかり気に入られ、ステージでは曲の途中で楽器を入れ替わるという荒業にもチャレンジ。
 はじめは市塚さんがB-3でベースラインを弾いて松本さんがメロディーをとっていたのだか、楽器を入れ替わるときにベースラインは松本さんのXK-EVOLUTIONに移る。衝撃が走ったのはそのときだった。ベースの音量が遜色なく聞こえる。2101のボディサイズからは考えつかないような音量である。真っ先に反応したのはワイエスの山本社長だった。「下がよう出ますな。」 たった一言であるがLeslie2101mk2を語るには十分であった。


 Leslie2101mk2の鮮烈なデビューで1部は終え、ステージは後半戦に。2部のスタートはオルガン界の巨匠・佐々木昭雄の愛弟子、優季さんの演奏です。1部の弾けたステージとは打って変わり、玄人好みのブルースでフロアを染め上げていきます。師匠譲りの堅実なプレイとスィング感溢れるブルースは貫禄さえも感じさせます。
 そして、もう一人のオルガニストは橋本有津子さん門下の時田薫さん。こちらも師匠譲りの高速タッチと明るいサウンドワークで楽しませてくれます。


 2部のオルガンバトルで幕を閉じたオルガンサミットですが、オルガンジャズに酔いしれた会場は納まることを知りません。そこで、山本社長の招きによりシット・インしたのは遊びに来ていた巨匠・佐々木昭雄さん。オルガンジャズの真髄を諭すような演奏でライブの幕を下ろされました。
 山本社長の計らいで実現した今回のオルガンサミット、若手プレイヤーの門戸を開くような今夜の試みが将来のトッププレイヤーを生み出すことでしょう。「やっぱり、師匠たちのサミットのほうがいいな。」と、ぼやきながらも、「これはこれで面白いな。」と、行く末に期待を寄せる。そんなオルガンジャズへの愛情にハモンドオルガンは支えられているのです。


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