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REPORT/河合の説法 ハモンドオルガンクリニック@鍵盤堂 2010/6/18

date
5月30日(日)
place
池部楽器イベントスペース
musician
河合 代介(Hammond Organ)

※写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。

 楽器を練習しているといろいろな疑問が浮かんできますね。楽器の構造であったり、操作の方法であったり、演奏の技術であったり。インターネットで検索すればいろいろな答えに導かれますが、本当に知りたい答えにはたどり着かないことって良くあります。特に、ハモンドオルガンはギターやベースのように教則本や解説書も少ないから謎が多い楽器です。そのような楽器だからこそ、悩めるキーボーディストたちの力になりたいと、立ち上がられたのは池部楽器鍵盤堂さんだった。そして、伝道師として白羽の矢が立ったのはハモンドオルガンの第一人者、河合代介さんだった。


 今回のクリニックで用意されたのはXK-EVOLUTIONとLeslie2101mk2、どちらも河合さんがプロデュースしてきた楽器である。最上のハモンドオルガンのサウンドを手軽に再現したい。という思いから誕生した楽器であるが、何を持って最上とするのか。それは「河合さんの心をどれだけ揺さぶられるか。」という、最も単純で最も難解な道のりだった。それだけに、それを弾きこなすことが、ハモンドオルガンの真髄にもつながることでもある。
 河合さんのクリニックはハモンドオルガンの仕組みから始まり、歴史、奏法へとつながっていく。オルガンならではのボイシングであったり、左手ベースのやり方であったり、普段なかなか聞くことのできないプロフェッショナルな技も実技をまじえて解説されていた。
 「〜手先だけでこれだけ音色が変わるのです。だから、オルガンはタッチが重要だと思います。ピアノはタッチが・・・、と言われますが、オルガンはそれ以上にタッチが敏感だと僕は思います。」 というのは、レガート奏法の説明の言葉である。電気信号のオン/オフを機械的に行うのか、音楽的に行うのか、それは指先にどれだけの思いを込めることができるのかである。瞬時に音が出て鳴り続け、指を離してしまうと音が止まってしまう。ごく単純なことであるが、ここに演奏のすべてが秘められている。どんなにセッティングを真似ても同じ音が出ないのは、人それぞれのタッチがあるからである。それが演奏における最大のファクターであるからハモンドオルガンは面白いのである。


 「自分の手法や考え方が決して正しいとは思っていません。しかし、自分が試行錯誤してたどり着いた答えには必ず理由があります。無作為に情報だけが錯綜する現代だからこそ、ハモンドオルガンを演奏する身として責任のある発言をしていきたいです。」と、常々河合さんは言われてきた。それは驕りも謙遜もない真実の言葉である。四方360°からの観覧、足元のベースワーク、ペダルワークまでもビデオをまわす。ありのままの自分を見せることで何かを感じ取ってもらうのである。クリニックに参加された方たちの質疑にも丁寧に応答される。それぞれの経験や価値観も異なるのだから、画一的な回答などはあるわけがない。だからこそ、自身の演奏を通して道を説くのである。ハモンドオルガンの第一人者として歩む河合さんならではのクリニックであった。



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