3.History 〜ハモンドコンボオルガンの軌跡〜

90年代初頭、1台のコンボオルガンが発売される。デジタル楽器の音源開発が躍進し、時代はまさにシンセサイザー全盛期、だれが、シングルマニュアルのオルガンの出現を予感したのだろうか。


XB-2(1991.5〜1997.11)
【本体価格 ¥180,000】

日本ハモンド時代、ハモンドはB-100というコンボオルガンを発売した。1975年にトーンホイールを失ったハモンドはLSI音源による製品開発を余儀なくされた。そのような中誕生したB-100はトーンホイールの正弦波のみを再現するに留まり、B-3サウンドに慣らされたハモンドプレイヤーからは評価は得られなかった。

しかし、1986年デジタル音源のスーパーBが発売される。このオルガンはトーンホイールのサウンドをサンプリングしてB-3をデジタル技術で復活させたものだった。

1991年、スーパーBの音源を搭載したシングルマニュアルのオルガンが発売される。それがXB-2だった。XB-2のドローバーサウンドはバンドの中で決して埋もれることなく、オルガンとしての存在感を常に主張した。そしてその響きは全世界のミュージシャンが望んだものだった。

特長
XB-2の音源はDRH音源で16音ポリフォニック、音源そのものはデジタルであったが、ビブラートやレスリーといったエフェクトはアナログ技術で構成されている。
レスリー端子は11ピン端子を装備しているため、レスリー122XB他の11ピンタイプのレスリーに直結できる。
エクスプレッションペダルは、EXP-100ANが使用できる。


XB-1(1997.12〜2004.11)
【本体価格 ¥128,000】

XB-2の発売から6年、XB-2はコンボオルガンとしてのハモンドの名を高めた。しかし、バブルの崩壊した今となっては、オルガンの音しか出ないXB-2は若者たちにとって決して安いものではなかった。このような背景から発売されたのがXB-1だった。

シンセサイザーの音色では真似できないドローバーサウンドを持ちながらも、デジタル技術を導入することによりコストパフォーマンスの高い製品として完成された。エフェクトのデジタル化によるレスリーシュミレーションはレズリースピーカー以外でもレスリー効果が得られるだけでなく、11ピンのレスリー端子を取り外すことにも貢献した。

ブラックボディー以外にもシャンパンゴールドの限定モデルもあった。

特長
VASEII音源を使った32音ポリフォニック、音色の波形データは基本的にはXB-2で作ったものを微調整して使っている。
ビブラート、コーラスやレスリーといったエフェクトがDSPによるデジタル処理となり、アナログ部分は出力のアンプ部のみとなった。
レスリー端子は8ピンDINを装備しているので、レスリー2101が直結できる。
エクスプレッションペダルはV-20Rが使える。


XK-2(1998.12〜2004.11)
【本体価格 ¥180,000】

XB-1は若者を中心に販売台数を伸ばしたが、プロミュージシャンの評価は厳しいものだった。ステージで11ピンのレズリースピーカーと直接接続できないこと。キーボードタイプの鍵盤ではオルガン特有のグリッサンド奏法に不満が感じられることから、海外仕様として先行していたXK-2を国内向けに発売することとなった。

XB-1をベースとしたXK-2は、鍵盤をB-3タイプのウォーターホールと呼ばれる形状の鍵盤に入れ替え、キャビネットの木製部分を増やした形で作られた。そして、アナログ的な音色にこだわるユーザーの声に答え、エクスプレッションペダルの回路にアナログを用いることで、XB-1よりも弱冠アナログ的なサウンドにまとめられた。

特長
音源部分をXB-1と同じVASEU音源を使った32音ポリフォニック。
レスリー端子は11ピン端子を装備しているため、レスリー122XB他の11ピンタイプのレスリーに直結できる。
エクスプレッションペダルはXB-2用のものと同じ、EXP-100と、XB-1用のV-20Rのいずれも使用できる。
トーンコントロールBASS/TREBLEを搭載


XK-3(2004.5〜2007.11)
【本体価格 ¥248,000】

2002年に発売されたNew B-3に触発され、シングルマニュアルのオルガンとしてのステータスを求めて開発された。

デジタルトーンホイールを搭載した新音源VASE III、2つの真空管を有するプリアンプ、オリジナルB-3と同じプリセットキー、ウォーターホール鍵盤、そして、フルオルガンとしての進化を予測させる3セットドローバー、これらはXB-2の発売以後、他社が発売してきたコンボオルガンの追従を許すものではない。オリジナルを継承してきたハモンドにのみ許されたテクノロジーである。

特長
全ての鍵盤が同時に発音できる全音ポリフォニック、XK-2までのデジタルオルガンは鍵盤が押されてから、音源が波形データを演算で作るというステップで発音していた。XK-3は常時96個の音源波形が発振しているという、トーンホイールオルガンの考え方に戻った音源構成である。
レスリー端子は11ピン端子を装備しているため、レスリー122XB、3300, 3300W, 2101Pなどの11ピンタイプのレスリーに直結できる。
エクスプレッションペダルはEXP-100AN、EXP-100Fが使用できる。
XLK−3を接続することにより、簡単に2段鍵盤オルガンとなる。
従来のBASS/TREBLEに加えて、積極的な音作りとして使用可能になったミッドスイーブ付きの3バンドイコライザーを装備。


XK-1(2006.5〜)
【本体価格 オープンプライス】

2004年に発売、サウンドに妥協を許さないB-3プレーヤーから圧倒的な支持を受け、その地位を確立したXK-3の音源をそのまま搭載したことにより、まぎれもないB-3サウンドを聞くことが出来る機種だ。

XM-1からXK-3まで途切れることなく積み重ねてきたデジタル信号処理技術は、このモデルでレスリーシミュレーターに大幅な進化を遂げさせることに成功した。軽量、低価格を実現しながらも、ラインから出力されるそのサウンドは従来の機種を大きく凌駕するモンスターモデルである。

ツアープロの使うステージモデルとしての色合いをより濃くしたXK-1はドローバーサウンドの他に、エレクトリックピアノ、クラビ等のビンテージキーボードの音源までも装備し、バンドの中のキーボードとしての高いパフォーマンスを示している。

特長
全ての鍵盤が同時に発音できる全音ポリフォニックであり、常時96個の音源波形が発振しているという、トーンホイールオルガンの考え方に戻った音源構成である。
レスリー端子は8ピン端子を装備しており、レスリー3300、3300W, 2101Pなどの8ピンソケットを持つレスリーに直結できる。
エクスプレッションペダルはV-20Rが使用できる。


XK-3c(2007.12〜)
【本体価格(税別) ¥258,000】

2004年5月に発売されたXK-3のスタイルを継承しながらも内部設計を一新し、従来機と比べ、全てにおいて1ランクも2ランクも上のオルガンとして生まれ変わった。

12AX7, 12AU7という2本の真空管を搭載し、これを自在に操るシステムを開発、温かい歪からハードな歪まで真空管のキャラクターを利用した音作りをユーザーに開放した画期的なモデルである。

XK-1で開発したレスリーシミュレーターをさらにチューンアップ、キークリック、パーカッションといったハモンドサウンドの必須アイテムにもさらに磨きがかかっている。加えて、MIDIのコントロールスイッチやボリュームを備え、マスターキーボードとしての機能も充実させた、究極とも言えるモデルである。

特長
全ての鍵盤が同時に発音できる全音ポリフォニック、常時96個の音源波形が発振しているという、トーンホイールオルガンの考え方に戻った音源構成である。
レスリー端子は11ピン端子を装備しているため、レスリー122XB、3300, 3300W, 2101Pなどの11ピンタイプのレスリーに直結できる。
エクスプレッションペダルはEXP-100AN、EXP-100Fが使用できる。
XLK−3を接続することにより、簡単に2段鍵盤オルガンとなる。
従来のBASS/TREBLEに加えて、積極的な音作りとして使用可能になったミッドスイーブ付きの3バンドイコライザーを装備。

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