ようこそテンホールズの素晴しい世界へ。

The 2nd Step Ver.1

次はいよいよ実際にテンホールズの演奏を練習しましょう。結構大変ですが、根気よくゆっくり練習すれば大丈夫。さあ、では2歩目を踏み出しましょう。
Contents
The 1st Step
音楽の中のテンホールズ
テンホールズの選びかた
Body Material
Key
単純な構造
配列の不思議
秘密

Easy Play 移調
Bending the Notes! ベンディング!
Making Chords 和音
Cross Position クロス・ポジション


The 2nd Step Ver.1
持ち方
単音を出す

Breath
Putting Mouth on a Hole
Shape of Mouth
Make a Sound
Long Tone
ベンディング
Bendin' DRAW Notes
Bendin' BLOW Notes
Major Scale Again

The 2nd Step Ver.2
クロス・ポジションによるスケール練習
Blue Note Scale
Minor Scale
Position Chart
エフェクト&テクニック
Vibrate
Trill
Fake
Octave Play
Straight Chord Play
Bump!


The 3rd Step
通常の手入れ
分解と組み立て
メンテナンス
The 2nd Step
■持ち方

A) holding form

まずはテンホールズの持ち方。決まった持ち方というのはありませんが、最も一般的な持ち方を紹介します。(写真1、2 )  


写真1


写真2

1. 穴番号のついている面が上に、低音部が左側になるように。  

2.左手の親指と人差し指を軽く伸ばして、その間に ハーモニカをはさみます。親指の付け根部分になるべく深く押し当てるようにすると安定します。  

3. 他の3本の指はそろえて軽く曲げ、ハーモニカの後部に添えます。  

4. ハーモニカの右端を右手の親指と人差し指の間に軽く置きます。

5. ハーモニカを持った左手をそのまま右手で包み込む感じ。  

以上のポイントを参考にして持ってみて、徐々に自分の手の大きさや演奏方法に適したフォームを見つけていけばよいでしょう。

B) with a microphone

大音量のバンドの中でテンホールズを演奏する時などは、ハーモニカと一緒にマイクを握ってしまうことが多いです。左手でハーモニカを持ったら、空いている3本の指でマイクの頭部を握ります。そして、マイクごと右手で包みます。  

C) playing form

演奏するときの姿勢は、上体を自然に、肩や脇の力を抜いて、両肘を軽く体につけるといいでしょう。この時、ハーモニカも上体の姿勢もやや右上がりの構えになるのが自然。また、極端に前かがみになりすぎないように気をつけましょう。  

D) with a holder

ハーモニカ・ホルダーにハーモニカをセットして首にかければ、フォーク系ミュージシャンなどがよくやるように、ギターを弾きながらの演奏が可能になります。

■単音を出す

A) Breath

テンホールズは、吹いたり吸ったりすることで音を出し、演奏します。特に息を吸うときに発音させる楽器というのは極めて珍しく、吸気のコントロールは大変難しいものです。つまりそれだけハーモニカ・プレイにおいては正しい呼吸(ブレス)が重要ということです。腹式呼吸を心がけ、是非身につけてください。もし腹式呼吸の感覚がうまくつかめないようだったら、床に仰向けに寝転んで呼吸してみましょう。自然にお腹が膨らみ、腹式呼吸ができているはず。その感覚を忘れずに、立ち上がった状態でも意識すればできるはずです。

B) Putting Mouth on a Hole

それでは、1番穴を吹いてみましょう。軽く開いた唇にハーモニカを押し当てる感じで。この時、ハーモニカの穴にまっすぐ息が吹き込まれるよう角度に注意しましょう。
慣れないうちは目的の穴に正確に口をあてるのは難しいものです。初めのうちは目的の穴にまず舌先をあててから口をあてるか、目的の穴番号の上に指先を置いて、その指が唇の真ん中に触れるように口をあてるといいでしょう。

C) Shape of Mouth

ハーモニカを演奏するときの口のあて方、形には大別して2種類のスタイルがあり、それぞれ「パッカー」スタイル、「タング・ブロック」スタイルと呼ばれています。

a) Puckering Style 
恐らくこちらがオーソドックスなスタイルだと思われます。唇を軽くすぼめ、1つの穴をめがけて唇をあてます。唇に力を入れすぎたり、とがらせすぎたりしないように、若干深めにハーモニカをくわえるといいでしょう。口先だけで浅くくわえすぎると、口元に隙間ができて息がもれてしまうので注意。(図 5)


図5

b) Tongue- Blocking Style 
ブルーズ・ハーモニカ・プレイヤーの多くが用いているスタイルで、より深く丸みのある音色が得られます。パッカーよりも深く、4つの穴を一度にくわえ、右端の穴以外の3穴を舌で塞いでしまいます。(図 6)


図6

様々なテクニック、エフェクトを効果的に使うためには、これら2つのスタイルともマスターし、使い分けられるようにしておくのがベスト。

D) Make a Sound

今までのポイントを意識しながら、音を出してみましょう。1番穴を使って行ないます。  

a) a blow note 
1番穴を吹きます。腹式呼吸を意識して、口の形に気をつけながら、力を抜いて一定量の空気をゆっくり少しずつ送り込みましょう。正確に1音だけ出ていますか?  

b) a draw note 
1番穴を吸います。吸う音は、吹く音より難しいでしょう。吸い込む空気の量を均一に保ち、特に腹式呼吸を意識して、力まずお腹に息を吸い込むような感じで。吸い込むことに気をとられすぎて、のどやあごに力が入ってしまってはきちんと音が出ません。あくまでラクに、お腹を使って練習しましょう。

E) Long Tone

ここでは、ブレスをコントロールすることによって単音を正確にしっかり出す練習をします。ロング・トーンとは「長く伸ばした音」のことで、その練習は管楽器の基礎練習などでも行なわれているほど大切です。ところで、練習を始める前に少しだけ、テンホールズの演奏における指示記号を先に紹介しておきます。(図 7)。ただし、決まった記号というのはないので、これらは便宜上ここで用いるものにすぎません。  


図7

a) a blow note
では、吹音から。1番穴を吹きます。1音を正確に、始めはそっとわずかな量の空気を送り、小さな音でリードが振動するのを感じながら徐々に送る空気の量を増やして大きな音にしていき、再び小さくしていきます。送り出す空気の量をお腹でコントロールして、音を支えていることを意識しましょう。 

b) a draw note 
次に吸音。1番穴から。吹音と同様に、吸い込む空気の量をコントロールします。吹音に比べてかなり難しいはずです。音がフラつかないように、とにかく腹式呼吸を忘れずに、胸ではなくお腹に吸い込むような感じで。力まないように。

c) blow and draw 
同じ穴で吹音と吸音のロング・トーンを交互に出してみましょう(譜1)。吹き吸いの切り替えをスムーズに行えるように気をつけましょう。順番に他の穴でも練習してみてください。根気よく、あせらずに。


譜1

■ベンディング

A) Bendin' DRAW Notes

吸音をベンドするコツは以下のとおり。ちなみに、初めのうちは必ずナチュラル・ノート(ベンドされていない音)を出してからベンドするようにしましょう。  

1. ストローで飲み物を吸い込む、あるいはすするような感じで。  

2. 口腔内の形を「ワ」→「ウ」、あるいは「ウ」→「オ」と言うように変化させます。

3. 舌の先端より少し奥の辺りを下斜め後方に引き下げます。舌はアーチ型に近い形状になるはずです。  

4. 先の3つの行為によって口腔内を通る空気を曲げ下げ、同時に音も曲げ下げているということを意識します。  

本来は、特に強く吸い込むとか、力を入れるとかいう必要はないのですが、コツをつかむまでは少し強く吸い込んでみてもいいでしょう。それで少しでも音が下がったら、その時の口の形、舌の位置や形を覚えておけばOK。それから、よくある間違いが、力が入りすぎて始めから音がベンドぎみになってしまっているのに気づかないことです。これではどんなに頑張ってみてもそれ以上音は下がりません。ピアノ等できちんと音程を確かめるのも大切。  

a) Half Bending 
半音だけ下げるベンディング。比較的ベンドしやすい4番穴でやってみましょう。吸音<レ>を<レ♭>に下げます。(譜2)滑らかに<レ→レ♭→レ>と繰り返します。4番穴ができるようになったら、他の穴でも練習してみましょう。低い音ではもっと口腔内の変化を大きくする必要があって難しく、高い音ではもっと小さな変化でいいはずです。それぞれの穴のコツをつかみましょう。また、2・3番穴は半音以上ベンドできるので、音程を確かめて、ベンドしすぎないように注意しましょう。


譜2

b) Full Bendig 
1音下げるベンディング。ハーフ・ベンディングよりも舌は奥に下がり、口腔内の形も大きく変化します。2番穴で練習しましょう(譜3)。
<ソ→ソ♭→ファ→ソ♭→ソ>と滑らかに。できるようになったら、3番穴でも練習してみましょう。さらに、3番穴は1音半までベンディングできるので、それも練習しましょう。


譜3

B) Bendin' BLOW Notes

吹音のベンディングは吸音よりも難しいかもしれません。特に10番穴は難しいと思います。くじけずに、じっくり練習してください。そのコツは以下のとおり。  

1. あごを少し閉じぎみにします。

2. 口腔内の容積を小さくして、送り出す空気の量に対して通り道を狭くする感じで舌の位置や形状も変えます。  

3. 送り出す空気を口腔内で圧縮するような感じ。  

4. やはり音を曲げ下げていることを意識します。

では、実際に練習してみましょう。8番穴を吹いてベンドしてください。(譜4) 音程がフラついたり、音がひっくりかえってしまったりしやすいので、何度も練習して丁度良い位置をみつけ、キープできるようにしましょう。10番穴ではフル・ベンディングも可能なので、ハーフ、フルともかなり難しいですが、気長に練習してコツをつかみましょう。とにかく練習あるのみ。以上の練習でベント・ノートを出せるようになったら、それをロング・トーンでもキープする練習と、最初からベント・ノートを出す練習をしましょう。これらの積み重ねがあなたのベンディング・テクニックを必ずや完璧なものにしてくれるはず。すぐにできないからといってあきらめないで。このテクニックをマスターするには時間がかかるものなのです。


譜4

C) Major Scale Again

ベンディングの仕上げに、メジャー・スケールをもう1度練習しましょう。ベンディングができなければ不可能だった第1オクターブのメジャー・スケールも演奏できるようになります(譜5)。また、第3オクターブのスケールもこれで完璧に演奏できます(譜6)。これで、ファースト・ポジションによるメジャー・スケールを用いた演奏なら、3オクターブの音域に渡って演奏可能になります。


譜5


譜6