ようこそテンホールズの素晴しい世界へ。

The 2nd Step Ver.2

Contents
The 1st Step
音楽の中のテンホールズ
テンホールズの選びかた
Body Material
Key
単純な構造
配列の不思議
秘密

Easy Play 移調
Bending the Notes! ベンディング!
Making Chords 和音
Cross Position クロス・ポジション


The 2nd Step Ver.1
持ち方
単音を出す

Breath
Putting Mouth on a Hole
Shape of Mouth
Make a Sound
long Tone
ベンディング
Bendin' DRAW Notes
Bendin' BlOW Notes
Major Scale Again

The 2nd Step Ver.2
クロス・ポジションによるスケール練習
Blue Note Scale
Minor Scale
Position Chart
エフェクト&テクニック
Vibrate
Trill
Fake
Octave Play
Straight Chord Play
Bump!


The 3rd Step
通常の手入れ
分解と組み立て
メンテナンス
The 2nd Step Ver.2
■クロス・ポジションによるスケール練習

A) Blue Note Scale

クロス・ポジションは、もともとブルーズを演奏するために考え出されたということは前に述べました。その演奏の基本となるのがブルー・ノート・スケールです(譜7)。このスケールを特徴づけているのは♭3rd, ♭5th, ♭7th という3つの音で、これがブルー・ノートと呼ばれています。まずはこれを吹いてきれいな音が出るように練習をしましょう。


譜7

a) 1st Position
実はファースト・ポジションでもブルー・ノートは出せます。ただし、完全なスケールは高音部だけで、演奏上の制約はかなり多いのです。高音部での< C >blue note scaleを練習しましょう。(図8)吹音のベンドによってブルー・ノートを出します。10番穴のフル・ベンドに注意してください。


図8

b) 2nd Position 
セカンド・ポジションはブルー・ノートを得やすく、ブルーズ・プレイには最適。現在最も一般的に使われるポジションでもあります。2番吸音が<ド>(トニック)になります。キー< C >のハーモニカでは5thの< G >音なので、< G >blue note scale になります。(図9) 


図9

c) 3rd Position 
サード・ポジションでは、普通のblue note scale だけでなく、♭6th とすることでよりマイナー風の響きを出すこともできます。1番吸音がトニックになるので、< C >のハーモニカでは< D >blue note scale です。(図10)  
3番穴をベンドしなければ普通の< D >blue note scale になります。


図10

B) Minor Scale

マイナー調の曲の基盤となるマイナー・スケールには3つの種類があります。自然的短音階(natural minor scale)、和声的短音階(harmonic minor scale)、旋律的短音階(melodic minor scale) の3つがあり、それぞれ異なる性格を持っています(譜8)。それで、マイナー曲を演奏するといっても、その曲で使用しているスケールによってポジションを選択する必要があります。 


譜8 

a) Natural Minor Position 
6番吸音<ラ>をトニックとするnatural minor scale がそのまま演奏できます。< C >のハーモニカでは< A >音がトニックの< Am >key, A Natural minor scale になります。練習してみましょう。(図11) 


図11

b) 3rd Position 
3rd positionで対応するメジャー・キーの同主調(トニックが同じ音であるマイナー)の曲で。< C >のハーモニカなら1番吸音< D >をトニックとする< Dm >key です。3種類のマイナー・スケール全て演奏可能ですが、特にD Melodic minor scale がメロディー演奏においては大きな意味を持ちます。それでは練習をしてみましょう(図12)。上行するときと下行するときとでは6th と7th の音程が異なります。


図12

以上各ポジションにおけるスケール練習を何度もして感覚を身につけてください。そして、徐々にその音域を広げて行き、各ポジションにおける各スケール特有の響きを生かした演奏を目指しましょう。 次のポジション表を活用してルールを覚えてしまうと便利です。この他にも幾つかのスケール、ポジションが存在しますが、あまり一般的ではないので割愛します。

■Position Chart

■Effects And Techniques

最後に、テンホールズの演奏で重要あるいは頻繁に使われるエフェクト、テクニックを幾つか紹介しておきましょう。

A) Vibrate

ヴィブラートは演奏に表情や情感、心地よさといったものを与える重要なエフェクトです。テンホールズの場合、そのヴィブラート・テクニックにも幾つか種類があるのですが、そのうち代表的なものを2つ取り上げましょう。 

a) Hand Vibrato 
最も一般的で、比較的簡単にできるのがこのハンド・ヴィブラート。効果も大きいです。名前のとおり、手の動きによって音を揺らすテクニックで、ハーモニカを包み込んでいる右手を親指を軸にしてパタパタ開閉するのが最も基本的な方法です。他にも両手の動かし方を色々工夫することで、様々な質、大きさ、速さのヴィブラートをかけられます。 

b) Throat Vibrato 
このスロート・ヴィブラートは、のどを使ってヴィブラートをかける、かなり高度なテクニックです。吸音で用いられ、息を吸いながらのどを「ウッウッウッウッ」と鳴らすようにしてヴィブラートをかけるのですが、しっかりとしたブレス・コントロールが要求されます。この深いヴィブラートは、トーンに「泣き」を与え、極めてブルージーな響きを作り出してくれます。 

B) Trill

トリルもまた印象的で効果の大きいテクニックです。これは、異なる2音を細かく交互に連続させるもので、テンホールズの場合は左右隣り合った穴をすばやく交互に吹く(あるいは吸う)テクニックを指します。音を出しながらハーモニカを左右に動かし、それと同時に顔の向きも反対方向に変えます。始めはゆっくり練習しましょう。できるだけ2音が滑らかにつながるように意識します。さらに、このトリルをしたままでベンディングを行なうと、一段と印象的なサウンド効果を得ることもできます。


譜9

C) Fake

ベンディングの応用であるフェイクは、トーンにアクセントを加えるために多用される小技。音を出す瞬間に「ウ」→「ワ」と言うように口の形を変えて音の出だしのピッチを若干下げます。

D) Octave Play

タング・ブロッキングの応用で、オクターブ違いの2音を同時に演奏するオクターブ奏法があります。これもまた、音に厚みを加えたり美しい響きを出したりと、大変有効なテクニックです。吹音では4穴を一度にくわえて真ん中の2穴を舌で塞ぎ、吸音では5穴をくわえて真ん中の3穴を舌で塞ぐのが基本(図13)。ただし、吸音ではオクターブ違いにならない穴もあるので注意が必要です。


図13

E) Straight Chord Play

1st positionで、単音も織り混ぜながら主にコードで演奏する奏法。最もプリミティヴな奏法と言えるかもしれません。フォーク系の曲でよく用いられます。

F) Bump!

まさにテンホールズ・プレイという感じの”らしい”奏法。主に2nd position で、コードや単音、様々なエフェクトをリズミックに組み合わせて弾む感じで演奏するのがこのバンプ。