ハーモニカで、吹き方を変える事により音を下げる事を、ベンドといいます。
例:4番穴レのベンド(mp3形式:124K)
それに対し、吹き方を変える事で音を上げる事を、オーバーブローアップといいます。
例:4番穴ドのオーバーブローアップ(mp3形式:86K)
このテクニックを使うと、ベンドでも出せない音を出すことが出来ます。
簡単に言うと、吹いて吸う側のリードを、または吸って吹く側のリードを鳴らして、通常より高い音を出してしまうというテクニックです。
例えば、4番穴は、吹くと「ド」、吸うと「レ」ですね。
オーバーブローアップは、吹いて「レ」のリードを無理やり鳴らしてしまうのです。
そうすると、大体「レ」の半音上(レ♯=ミ♭)付近の音を出す事が出来ます。
ベンドとは逆で、同じ穴の2音のうち、低い方の音でオーバーブローアップがかけられます。
(1番〜6番穴では吹音、7番〜10番では吸音)
以下に、オーバーブローアップで出せる音を示しました。
| 穴番号 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
| 吹く |
ド |
ミ |
ソ |
ド |
ミ |
ソ |
ド |
ミ |
ソ |
ド |
| 吸う |
レ |
ソ |
シ |
レ |
ファ |
ラ |
シ |
レ |
ファ |
ラ |
 |
レ# |
ソ# |
ド |
レ# |
ファ# |
ラ# |
ド# |
ファ |
ソ# |
ド# |
|
ベンドとオーバーブローアップを組み合わせる事によって、12音全ての音を出す事が可能です。
例:中音域の半音階(mp3形式:143K)
ただ、オーバーブローアップは安定した音を出すのがとても難しいので、短い音や、経過音的に使われる事が多いテクニックです。
また、ハーモニカの気密性能(部品の精度、組み立て精度不足)が低かったり、リードのアゲミをつけすぎていたりすると、うまくオーバーブローアップできません。
ハーモニカの状態にも大きく左右されるテクニックといえます。
オーバーブローアップを使った演奏例1
オーバーブローアップを使った演奏例2
オーバーブローアップのやり方
オーバーブローの感覚をつかむためには、ハーモニカのカバーを取った状態で練習するのが効果的です。
最初は6番穴くらいがやりやすいでしょう。
まず、カバーを取った状態で、6番穴をくわえ、吹く側(上側)のリードの穴を指でふさいでしまいます。この時点で普通に吹くと、当然何も音が出ませんね。
ここで、吹き音ベンドをするような気持で、吹き方(舌の位置、口の中の容積など)を変えていきます。そうすると、「ラ」のリードが鳴りだすポイントがあるはずです。(ラより少し高い音が鳴ります。)
このポイントを頑張って見つけましょう。
穴をふさいで吸い側のリードを吹いて鳴らす事が出来るようになったら、今度は穴をふさがずに鳴らせるように練習をします。まず吹き側の音が止まり、そして吸う側のリードが鳴りだすポイントを見つけましょう!
※スズキMR-300(オーバードライブ)は、各音の息の出入り口が独立しており、それぞれを指で塞ぐ事により、オーバーブローアップをしやすくしたモデルです。
そのため、カバーを外さなくても、上記のような練習をすることが出来ます。