Pulse Width Modulation(パルス・ウィズ・モジュレーション)の略です。パルス波の幅を変化させることで、うねるような音色変化を発生させます。
エンベロープ
音の変化を時間軸で見た線のことです。シンセサイザーおよびストリングスアンサンブルには、音色をつくるためのEG(エンベロープジェネレーター)が備わっており、ADSR(Attack、Decay、Sustain、Release)といったパラメーターを操作して音を調節します。
本機のドローバーにはSustainはありませんが、Decayを最大にすることで音が持続し、Sustainと同様の効果が得られます。
オシレーター(Syn)
音の発振器のことです。シンセサイザーで音を鳴らすには、オシレーターで波形を選ぶ必要があります。本機の波形は4種類あり(三角波、ノコギリ波、矩形波、パルス波)、シンセサイザーの音色のベースとなります。
仮想マルチコンタクト
(VMC: Virtual Multi Contact)
トーンホイールオルガンを演奏する際、1鍵をゆっくり押すと「ポッ」「チッ」というキークリック音と共に各倍音がずれたタイミングで発音されます。これは仮想マルチコンタクトにより起こる現象です。
楽器タイプB-3のモデルとなっているトーンホイールオルガンは以下の方法で発音します。
1. トーンホイールで約7オクターブ半(計91音)のクロマチック(半音階)正弦波音声を発振する。
2. 発振音を各鍵盤に、9種類の倍音ごとに振り分ける。
3. 鍵盤の演奏によりマルチコンタクト(複数の接点)が開閉し、振り分けた音声信号をバスバー(各倍音の信号線)に送る。
4. ドローバーの操作により各バスバーの音量を調節する。
鍵盤には9個の接点を開閉させる機構があり、各接点の動作タイミングに微妙なずれが生じます。また完全に接触するまでのばたつき(チャタリング)や、発振中の音声を突然接続させることによるポップノイズが発生します。
本機では、トーンホイールオルガンの特徴としてこの現象を再現しています。
打鍵時に完全に接触するまでの時間や、キークリック音の有無および音量は調節できます(⇒)。
軽く打鍵すると音が鳴りかけ、深く打鍵するとしっかり発音することを利用して、ピアノやシンセサイザーでは難しい以下のような演奏も可能です。
タブレット
旧型オルガンに備わっている、音色を操作するための板状のスイッチです。
トーンホイールオルガン
トーンホイール(歯車状の円盤)をモーターで回転させて、ピックアップコイルとの距離の変化により得られた電気信号を音源として出力します。一般的なトーンホイール音源は約7オクターブ半に相当する91枚のトーンホイールを持ち、音階に必要な周波数を得るために、各トーンホイールが異なる歯数と回転数に設定されています。
トランジスターオルガン
真空管をトランジスターに置き換えた軽量のコンボオルガンです。主に1960年代のロックやポピュラー音楽で使用されました。回路方式はメーカーやモデルにより異なります。本機では代表的な3種類のモデル(Vx、Farf、Ace)を再現しています。
ドローバーレジストレーション
ドローバー9本の引き出し具合のことです。
フォールドバック
過去のハモンドオルガンやパイプオルガンから引き継がれている仕組みで、B-3/C-3ではトーンホイールの枚数制限上、ある音程より上(または下)の音程については、それよりもオクターブを折り返したホイールのサウンドを代理で発音させていました。
フッテージ
パイプオルガンから転用された音の高さを表す単位です。8'(フィート)を基準に、値が半分になると1オクターブ高くなります。
リーケージトーン
トーンホイールオルガンで16'のドローバーのみを引き出して演奏すると、ほかの高い音もわずかに発音します。この音のことをリーケージトーンと言います。
これはマルチコンタクトを持つ楽器の配線は長くて複雑なため、各回線の音声が漏れて混ざり込むことで起こる現象です。
本機では、トーンホイールオルガンの特徴としてこの現象を再現しています。リーケージトーンの有無および音量は調節できます(⇒)。