トーンホイールオルガン・ハモンドB-3

1950年代から現代に渡って活躍を続ける、ハモンド伝統のトーンホイールオルガンです。バラードからハードロック、ハウスミュージックに至るまで幅広く使われています。

倍音タイプが異なる9本のドローバーで、音作りを行います。

Tips

• トーンホイールオルガン独特の仮想マルチコンタクト(VMC)とリーケージトーンを採用しています。詳しくは用語説明をご覧ください。

■ 好みの音色(レジストレーション)をつくる

ドローバーを引き出して好みの音色をつくります。各ドローバーは以下のように機能します。

中央のド(middle C)を押さえたとき、各ドローバーの音程は上図のようになります。

各ドローバーに記されているフィート表示(8′など)は、パイプオルガンのパイプの長さにちなんだ名称です。

縦の数値(1~8)は各ドローバーの音量レベルを表し、この構成によって音色をつくり出します。

ドローバー

機能

白色

(8′、4′、2′、1′)

8′のドローバーで基音(基準になる音程)をつくります。

4′、2′、1′のドローバーは、右に行くほど1オクターブずつ高くなります(偶数倍音)。

黒色
(2 2/3′、1 3/5′、1 1/3′)

基音に対して5度、3度関係の音程になります(奇数倍音)。

豊かな音色をつくり出すうえで重要な役割を持ちます。甘く柔らかな響きを持つホルンや、艶のある弦楽器の音色には、すべて異なる倍音の成分が含まれています。

茶色
(16′、5 1/3′)

16′のドローバーは8′の1オクターブ下、
5 1/3′は16′を基音とする第3倍音です。

音色に深みと豊かさを加える役割を持ちます。

通常は8′を基音としますが、音色に深みを加えたり、鍵盤の音域を1オクターブ広げたりするときは、16′を基音として音色をつくります。

Tips

• 基音(8')より右側のドローバーを多めに引き出すと、高音の成分が多くなり硬い音色になります。左側のドローバーを多めに引き出すと、低音の成分が多くなり柔らかい音色になります。


主なドローバーレジストレーション

Jazz

Bluesey

Tips

• パーカッションがオンのときは1′の音声が出力されません。これを利用して、Blueseyの状態で[PERCUSSION ON]ボタン()を押すたびに、JazzとBlueseyを切り替えることができます。

Groovy & Funky

Max Power

■ パーカッションを加える

フレーズの出始めに「コン」という減衰音を加え、音の歯切れの良さを演出します。

PERCUSSION

機能

ランプ

[ON]ボタン

パーカッション音をオン/オフにします。

点灯: オン

消灯: オフ

[SOFT]ボタン

パーカッション音の音量を切り替えます。

点灯: 小さい

消灯: 通常

[FAST]ボタン

パーカッション音の減衰スピードを切り替えます。

点灯: 速い

消灯: 通常

[THIRD]ボタン

パーカッション音の音程(第2倍音/第3倍音)を切り替えます。

第2倍音: 4'、第3倍音: 2 2/3'

点灯: 第3倍音

消灯: 第2倍音

■ エフェクトをかける

レスリー

音にレスリー効果(ローターの回転による揺らぎ)を加えます。

LESLIE

機能

ランプ

[BYPASS]ボタン

レスリー効果をバイパス(無効)/有効にします。

点灯: バイパス(無効)

消灯: 有効

[STOP]ボタン

レスリー効果のファーストがオフのときに、ストップ/スローを切り替えます。

点灯: ストップ

消灯: スロー

[FAST]ボタン

レスリー効果のファーストをオン/オフにします。

速い点滅: オン

遅い点滅または消灯: オフ

Tips

• フットスイッチでもレスリー効果のファーストをオン/オフできます()。

• [FAST]ボタンの点滅は、ローターの動きを視覚的に表しています。

ビブラート&コーラス

音にビブラート効果(電気的な揺らぎ)またはコーラス効果(空間的な揺らぎと広がり)を加えます。

VIBRATO & CHORUS

機能

ランプ

[ON]ボタン

ビブラート/コーラス効果をオン/オフにします。

点灯: オン

消灯: オフ

[MODE]ボタン

効果とその深さを切り替えます。

数値が大きいほど効果が深くなります。

V1~V3: ビブラート効果

C1~C3: コーラス効果

Note

• Vx、Farf、Ace、Ensはビブラート効果のみ対応しています。以下の順にビブラート効果が深くなります。

V1→C1→V2→C2→V3→C3

オーバードライブ

音にオーバードライブ効果(アンプに過大入力を与え音が潰れたような歪み)を加えます。

OVERDRIVE

機能

ランプ

[ON]ボタン

オーバードライブ効果をオン/オフにします。

点灯: オン

消灯: オフ

[OVERDRIVE]つまみ

オーバードライブ効果の深さを調節します。

右に回すほど効果が深くなります。

ディレイ/リバーブ

ディレイは音を繰り返す効果(山びこ効果)を加えます。

リバーブは旧来の電気楽器のスプリングリバーブ(バネの残響音)を模した効果を加えます。

DELAY/REVERB

機能

ランプ

[ON]ボタン

ディレイ/リバーブ効果をオン/オフにします。

点灯: オン

消灯: オフ

[DELAY/REVERB]つまみ

ディレイ/リバーブ効果の深さを調節します。

中央から左に回すほどディレイ効果が深くなり、右に回すほどリバーブ効果が深くなります。