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創業70周年記念 メロディオン特別展示

弊社、株式会社 鈴木楽器製作所は、おかげ様で創業70周年を迎えました。

1953年にハーモニカメーカーとして創業した弊社ですが、その後教育楽器メーカーとして成長するきっかけとなったのが、日本初の鍵盤式ハーモニカ「メロディオン」の開発によるものでした。

この度、創業70周年を記念して、本社展示室にてメロディオン特別展示を行っています。

1961年に誕生したメロディオン初号機「スーパー34」のほか、メロディオン創成期である1960年代当時のモデルを数点展示しております。

これらの貴重なモデルはお客様よりお譲りいただいたものです。ご協力くださいました皆様に心より感謝申し上げます。

営業時間中の一般公開をしております。

 

 

 

 

 

展示モデルのご紹介

 

スーパー34

製造時期:1961年~1966年頃

当時の価格:不明

34鍵盤モデル アルト音域(f~d3

本体重量:755g/総重量 :1246g

 


記念すべきスズキメロディオンの初号機です。本体に木を使用しているのは、スーパー34だけの大きな特徴です。現在のメロディオンの背面には必ず付いている「手バンド」はまだ無く、メロディオンの下を左手で支えるようにして演奏していました。またホース状のマウスピースもまだありませんでした。出ない音もありますが、丸く心地よい音色がします。

 

<当時の新聞広告>

昭和37年の広告

 

 

 


M-36

製造時期:1962年~1974年

当時の価格:¥5,350

36鍵盤モデル アルト音域(f~e3

本体重量 845g/総重量 1,289g


より音域を広げ高級感のあるデザインへとブラッシュアップされ、サイズ感や形状なども現在のメロディオンに近いものになりました。当時のカタログを見ると、教育用のみならず、幅広いターゲットへ向けての販売を目指していたことが分かります。M-36がモデルチェンジしながら現在の37鍵盤モデルや、プロモデルへとつながっていきます。

 

<当時のカタログ>

 

 


S-27

製造時期:1963年~1975年

当時の価格¥3,500

27鍵盤モデル ソプラノ音域(g1~a3

本体重量 735g/総重量 1,064g


音域を狭めた、よりコンパクトなメロディオン。アルト音域の「A-27」と同時期に開発したソプラノ音域モデルです。ホース状の長いマウスピースが付属するようになりますが、吹き込み口がホースに対して横向きに付いているのが特徴的です。まだ手バンドはありませんが、ネックストラップ用のフックが付いています。これらの特徴から、展示品は12年の製造期間の中でも初期のものと思われます。

 

 


A-27

製造時期:1963年~1975年

当時の価格¥3,500

27鍵盤モデル アルト音域(g~a2

本体重量 752g/総重量 1,077g


音域を狭めた、よりコンパクトなメロディオン。ソプラノ音域の「S-27」と同時期に開発したアルト音域モデルです。手バンド付きで、付属のホース状のマウスピースの吹き込み口は、現在のものに近い形状です。S-27と同時期に開発・販売していたモデルですが、この展示品は上記S-27よりも後に製造されたものと思われます。各パーツのカラーリング、バッグの形状など、非常に秀逸なデザインです。

 

<当時のカタログ>

 

 


A-32

製造時期:1967年~1973年

32鍵盤モデル アルト音域(f~c3

当時の価格¥3,800

本体重量 633g/総重量 1,300g


以降主流になっていく32鍵盤メロディオンの初となるモデルです。手バンドは無く、カバーには付属のネックストラップを装着するためのフックが付いています。本展示品は大きな特徴が3つあります。1つ目は、マウスピースの差し込み口、およびマウスピースの形状が真円ではなく、平らな形状であることです。また、ショートタイプのマウスピースも付属しています。2つ目は、格段に軽量化されたことです。A-32よりも鍵盤数が少なく小型なA-27よりも約120g軽量です。そして3つ目は、マウスピースの差し込み口が、手前に移動したことです。それまでのモデルとは内部構造が全く異なり、現在のメロディオンはA-32の流れを汲んだ設計です。教育現場に本格的に導入されていく中で、様々な改良を試みていたことが分かります。A-32はその後モデルチェンジを繰り返しながら現在のM-32Cへとつながっていきます。

 

<当時の会社案内より>