複音ハーモニカ(トレモロハーモニカ)の基本が学べるQ&Aページです。
「どんな楽器?」「きれいな音を出すには?」「マイナー調や奏法の種類は?」といった初心者の疑問にわかりやすくお答えします。
実際の演奏音源を聴きながら学べるので、楽器の魅力や音色の違いがより深く理解できます。
「複音ハーモニカ」は、独特の美しいトレモロ音(うなり)が特徴のハーモニカです。他のハーモニカには真似できない、どこか懐かしく郷愁を誘う音色を持っています。
(試聴:複音ハーモニカによる「赤とんぼ」 mp3/723KB)
微妙に調律をずらした同じ音が上下2列に並んでおり、上下の穴を同時に吹く(吸う)ことでビブラートがかかったような心地よい「うなり」が発生します。
メロディと伴奏を1人で同時に奏でられる独奏からアンサンブルまで、幅広い演奏スタイルで愛されています。


これが一般的な複音ハーモニカの音配列です。
一見複雑に見えますが、吹く音と吸う音を分けて下から順番に見ると、規則正しく並んでいることが分かります。
このように吹く音(3つ)と吸う音(4つ)の数が異なるため、オクターブが変わると吹く穴と吸う穴の位置が少しずつずれていく仕組みになっています。
最初は音が素直に並んでいる「中音部」から練習を始め、少しずつ「低音部」や「高音部」の配列にも慣れていきましょう。
複音ハーモニカは、基本的には「1つの楽器で1つの音階(キー)」しか演奏できない仕組みになっています。
そのため、演奏する曲の調子に合わせて、演奏中にハーモニカを持ち替える必要があります。
複音ハーモニカの独奏では、メロディと同時に伴奏(和音)を響かせる奏法を多用します。
悲しげで哀愁のあるマイナー調の曲を美しく演奏するために作られたのが、マイナー調のハーモニカです。
特にハーモニカの「吸う音」が苦手な方や、息が続きにくい方にとって、マイナー調の曲をマイナーハーモニカで吹くメリットは非常に大きいです。
「ナチュラルマイナー」とは、主に歌謡曲やポップス、フォークソングなどで使われる「自然的短音階」に調律されたハーモニカのことです。
通常のマイナーハーモニカ(和声的短音階)との最大の違いは、「ソ」の音が「ソ♯」ではなく、普通の「ソ(ナチュラル)」になっている点です。
ナチュラルマイナーはメロディを吹くのには最適ですが、出せる和音の響きが変わってしまいます。そのため、通常のマイナー曲でそのままベース奏法(和音伴奏)を合わせると、響きが合わなくなってしまうことがあります。
【失敗例】
『赤い靴』をナチュラルマイナーで吹き、和音が合わない例(「おんなのこ~」のコード進行の部分で、少し違和感のある響きになります)
試聴:『赤い靴』(ナチュラルマイナーによる和音が合わない演奏)(mp3/538KB)
複音ハーモニカでシャープ(#)やフラット(♭)などの派生音を出すには、「調子の異なる2本のハーモニカを上下に重ねて持ち、口を上下に切り替えて吹く」のが一般的な演奏スタイルです。
基本的には、演奏する曲のベースとなる「基本の調子」の楽器と、その「半音上(または下)」の調子の楽器をセットで使用します。
複音ハーモニカは、1人だけで伴奏とメロディを同時に奏でる「独奏スタイル」が非常にポピュラーです。
独奏では、まるで複数人で演奏しているかのように聴かせる、複音ハーモニカならではの多彩な特殊奏法が使われます。
これらの奏法を巧みに組み合わせることで、1人で演奏しているとは思えないほど厚みのある、ドラマチックな演奏表現が可能になります!
複音ハーモニカを良い状態で長く愛用していただくために、最も大切なのは「楽器の内部に汚れを入れないこと」です。日々のちょっとした心がけで、楽器の寿命や衛生状態は大きく変わります。
どんなに気をつけていても、長く使ううちに内部には少しずつ汚れが蓄積していくものです。ハーモニカ内部の本格的な掃除は分解が必要になります。パーツを傷つけてしまう恐れがあるため、無理にご自身で突っついたりせず、メーカーの修理・メンテナンスサービスへご相談ください。
複音ハーモニカの最大の魅力である、あの心地よく揺れるような「トレモロ音」は、上下に並んだ2枚のリード(音を鳴らす金属の板)のわずかな音程差によって作られています。
この熟練の職人による細やかな調律技術こそが、他のハーモニカには真似できない、郷愁を誘う豊かな響きを生み出しています。
ハーモニカを長く演奏・練習していると、リードの経年変化によって音の高さはどうしても少しずつ変化します。
出荷時には絶妙なバランスで保たれていた上下の音程差が変わることで、うなりの速さ(トレモロの数)が変化したように感じられることがあります。
定期的に調律やメンテナンス(トレモロ調整)を行うことで、本来の美しい響きを取り戻し、より良い状態で演奏できるようになります。
修理や調整はメーカーでも承っております。楽器の状態に合わせて適切に対応いたしますので、まずは「製品をご購入された販売店(楽器店)」へご相談ください。