ファビュラスで培ったノウハウを余すことなく注ぎ込んだシリウスシリーズ。
クロマチックハーモニカの新スタンダードと言えるモデルです。
ハーモニカは多くの倍音を含んでおり、この倍音がハーモニカの明るくきらびやかな音色を形成しています。
リードの設計や筐体の材質・設計によりこの倍音の割合は変化し各モデル特有の音色を奏でます。
プラスチックなど剛性の低いボディのハーモニカはボディが振動し音色を形作る倍音成分が吸収され比較的中高域が強調され軽やかで明るい音色が特徴です。また振動するボディから音が広がり楽器全体が鳴る様なサウンドが特徴です。またリードの形状などによってもこの明るい音色はより強調されます。
一方、金属ボディのような剛性の高いハーモニカはボディが振動しにくい為、低音域などの倍音を失うことなくリードを発音させます。本体が振動しない分、小さく繊細な音から芯のある大きな音まで得ることが出来ます。
シリウスはファビュラスシリーズで培われたリード設計と新設計のウェイテッドボディによって太く芯があり、尚且つ適度に広がるサウンドをバランス良く組み合わせて誕生したまさに究極のスタンダードといえます。
音色(イメージ図)
低剛性ボディのハーモニカの音色
シリウスのウェイテッドボディの音色
音の広がり(イメージ図)
一般的なプラスチックボディ
ボディが音を伝え軽やかに広がるサウンド。
シリウスボディ
最適なボディバランスで芯のある音と広がりを兼ね備えた新しいサウンド。
金属ソリッドボディ
高い剛性と質量がリードの振動を余すこと無く空間に伝え大きなダイナミクスレンジを持つ。
suzukiの燐青銅リードは燐青銅の中でも特にバネ性の良い特殊な燐青銅を用いています。ファビュラスの為に新しく設計されたリードはこの材料の性能を 極限まで引き出し、太く粘りのある音を創り出します。簡単に吹ききってしまう軽い吹き心地ではなく、小さな音から最後の一粘りといった音まで演奏者に応えてくれるリードです。最高の材料を最新技術で最適設計したこのリードは耐久性においても進歩しています。
マットに仕上げた黒クロームメッキカバーは口に咥えた時に今までに無いスムーズな滑り心地が得られます。
口アタリ・滑りが良く抗菌効果のある銀メッキマウスピースと合わせかつて無い滑らかな演奏性を実現しました。
マウスピースとスライドのクリアランス(隙間)はほんの僅かな精度の差で楽器の性能を大きく左右します。suzukiのクロマチックマウスピースは高精度の機械加工により息漏れの少ないスライドアクションを実現しています。
14穴モデルS-56Sはスライドがショートストロークとなっています。
移動距離が小さくスライドを押したときの音の切り替わりが早いた為、細かい音使いに有利です。また音の入り口がクロス配列より小さい為、適度な抵抗があり音をコントロールしやすいのが特徴です。
ショートストローク
音域 | 14穴 56音 g~d4 |
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材質 | 真鍮(ブラスト加工)+黒クローム鍍金カバー |
スライドアクション | ショートストローク(ストレート配列) |
寸法 | 177×45×31mm |
重量 | 368g |
付属品 | ABSケース |
Comment
The S-56C is great harmonica. Like all of the Sirius harmonicas is is extremely airtight,
which makes the lower notes very clear and musical,
but it is more maneuverable and easier to hold than than the 16 hole harp.
I find that the cross tuning allows for more air to pass across the reeds,
and gives a somewhat louder, fuller and more malleable tone.
As with all Suzuki chromatics, the reeds last a long time, and the valves almost never stick,
which gives me the confidence to play as expressively as I want.
I am using S-56C at gigs and recordings these days, and I’m very happy with it.”
S-56Cは素晴らしいハーモニカです。他のシリウスと同じく気密性が高く、低いキーもクリアで美しい音を奏でる上に、操作性が高く、16穴ハーモニカより持ちやすいです。クロスチューニングは、より多くの空気をリード弁に通し、より大きく、豊かで伸びやかな音を作り出します。他のすべてのスズキクロマチックハーモニカと同様に、リードは長持ちし、バルブはほとんどくっつかないので、自信を持って自分の理想の演奏が表現豊かにできます。
私は今、演奏会やレコーディングでS-56Cを使っていますが、とても幸せです。
【プロフィール】
1958年ニューヨーク出身。8才の頃ビートルズに影響されてギターを始める。その後JAZZに興味を持ちバークリー音楽院に進学しハーモニカプレーヤーとしてスタートする。
代表作:「アンタッチャブル」/「バクダッドカフェ」(映画音楽)/「セサミストリート」(テレビ番組)